原明売薬所
浦川真千子さん宅に、売薬者の免許看板がある。墨の色が薄くなり、読みづらいが、
佐賀縣免許証 売薬者
西松浦郡曲川村甲二五〇七 浦川三四郎
と判読できる。
真千子さんが小さな大小の柳行李を出してくださり、中のものを見せてくださった。
その中には、小さな「値きり」や薬草の名とその効能などが書いてある紙切れ、薬袋、注文表、お礼の手紙や売薬日誌、製薬帳などが入っていた。
また、薬を調合する「乳鉢」や磁器製のすりこぎなども見せていただいた。
その中の紙切れの一枚を読むと、
山帰来・・・身ヲ温メテ フキグス
炭酸凩屈矢亜・・・スイキヲトリアツメ
香附子・・・アクドクヲサグリアツメ
川?・・・毒気の道ヲサグル
甘草・・・薬の道引
大黄・・・集テ下ス
丁子・・・効能ヲクベル
シンシャ・・・高子(ね)ツヲサマス
紅花・・・毒気サグル
白蛇・・・亜毒ヲサグルアツメ
と書かれている。
場所は、原明番所の近くなので、いろいろなことが想像できるし、また、真千子さん宅を地元の人は「タッタラ」と呼ぶので、原明金山との関係を調べてみたくなったりもする。