入院してはじめて
平生業成が味わえた。
臨終来迎ではなく、
今 救われている。
すべての始末を
まかせられる。
時がゆっくり
流れていく。
大きないのちの
中にいる。
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お念仏が
出てきて下さる。
ねたまんまで
すわらなくて
いいから
ありがたい
なんまんだぶ。
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病もいいよ。
弱い自分が
わかるから。
ベットの上の煩悩
それをめあての
ご本願。
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尿が出る。屁が出る。
息が出る。汗が出る。
お念仏が出る。
大きなはたらきの中にいる。
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足の指をもんでみる。
生まれてはじめて
ていねいに
だまって48年間
支えてくれた足の指
かたくなった足の指
一本いっぽん
いとおしい。
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やさしいおたより
読んでたら
目から涙が
こぼれてきたよ
口から念仏
こぼれてきたよ
なみださまとあみださま
両方ともにありがたい
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病に感謝
フラフラさせてくださる
仏(ぶつ)
おまえひとりの力じゃないと
いっしょに
フラフラしてくださる
仏(ぶつ)
むりょうのいのちと
むりょうのひかりに
ささえられてフラフラ歩く
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看護婦さん
ありがとう
あなたの
やさしいひとことで
元気がモリモリ
わいてくる
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天にまします
われらの神でなく
今ここにいて下さる
私一人のための仏(ぶつ)
天国やあの世という
つかみどころのない
世界でなく
西方のすべておさまる
浄土の世界
冥土なんて
真っ暗やみの場所でなく
私のいのちの生かされる
輝くところ
幽界という足場のない
迷いの世界でなく
往還回向のはたらきで
私もはたらける
確かな世界
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