感心と感動
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2020.3 住職:桃谷法信
 立派な行為や優れた技量に心を動かされること、感服。と辞書には書いてあります。また、感動には、物事に深い感銘を受けて心を動かされること、とあります。
 関心や感動が大きいほど、行動するエネルギーも大きくなります。それは、老若、男女、年齢性別を問わず、すべての人に等しく与えられています。

 この「むりょうじゅ」の表紙の版画は、現在、棟方志功さんの「釈迦十大弟子」の模刻と親鸞聖人の「顕浄土真実教行証文類(教行信証)」の総序を少しずつ彫っていますが、棟方さんも親鸞さまも、わたしの心を動かしてくださった方々です。

 教行信証の総序は、部分的に取り上げているので、順番がちぐはぐだなあと思って、聖典を開くと、
「ひそかにおもんみれば、難思の弘誓は、難度海を渡する大船、無碍のの光明は、無明の闇を破する恵日なり。」 と、阿弥陀如来のお慈悲を、大船や太陽に例えて、私たちの生死に関する苦悩や不安について、自力では越え難い衆生を救うために、本願他力の真実の法が常に働きかけてあることを説かれています。

 次に、まだ信を得ていない者は、速やかの目覚め、すでに信を得たものは、遇いがたい法に恵まれたことを悦ぶべきであると勧められています。
 そして、この愚禿釋親鸞は、インド・西域・中国・日本へ渡来した聖典、師釈の伝統の仏法に遇えたことを慶んで、この書をしたためたと、示しておられます。
 
 親鸞聖人は、経・論・釈から多く引用されるとともに、ご自身のお言葉で解釈を加えながら、「教行信証」を構成されています。引用文に施されたおくり仮名や返り点は、









独自なものが多く親鸞さまの深い思索が現れるとともに、すべてを人間の側からではなく、如来の側から考察されています。
 その受け止め方は、阿弥陀如来の本願力に感動され、悪人こそ救わずにはおかないというお慈悲に感服されたからです。

 親鸞さまのこの感動は、お師匠様である法然上人やその法然様につながる中国インドの七高僧様方も感動されたからこその賜物です。そのつながりを、親鸞さまは、教行信証の信の巻に「正信偈120句」を謳いあげられたのです。
 親鸞さまのその感動は、800年の年月を経て、今現在説法、私たちの暮らしに息づいています。

 「あぁ弘誓の業縁、多少にも、もう遇いがたく、真実の浄信、億劫にも得難し。たまたま、行信を得ば、遠く宿縁を慶べ。」
 
 毎日フェイスブックに投稿されている「納棺夫日記」の作者、青木新門さんは、2月12日のブログで「宿縁に遇うとは、弥陀の光明に遇い、摂取不捨された慶びを表現しておられるのだと私は思っている。」と綴られています。

★3月行事(住職動静)
  2日 有田歴史民俗博物館評議委員会
  4日 栄町うたう会
  5日 上本老人会日帰り旅行(佐賀古湯温泉)

13日 むりょうじゅ会 夜7時30分~
  18日 栄町うたう会
  19‐20日 諌早市小長井浄真寺様へ春の彼岸会出講

19・20.21日 法泉寺 春の彼岸会 夜7時30分~
   ●20日(土)は午前10時からもお勤めします。
  28日 東山代町川内野 蓮乗寺様へ春の彼岸会出講











★新シリーズ「地域の古いもの」③
 ●「聖徳太子立像」
 曲川神社本殿の左側に聖徳太子の立像
(石像)があります。 
神社に聖徳太子の像があるのは、どういう
意味があるのか疑問でした。
 しかも、像の前の線香たてには、法泉寺
前々住、桃谷法隆師や唯証寺前々住、森山
領海師の名前が刻んであるのです。(*)

 聖徳太子は、仏教を日本に根づかせて下さった和国の教主として、浄土真宗の各寺院では、内陣の右の余間に絵像の掛け軸、または、木像が安置されています。
 また、イエスキリストとも共通している、馬宿での生誕、父親が大工であったことなど、興味ある人物ではあります。 そのことと関係があるかどうかは疑問ですが、大工さんたちは、毎年2回、2月22日と8月22日に「太子講」という寄り合いを持っておられます。
 大木の諸隈正義氏によると、曲川神社だけでなく、大木神社にも昔はあったそうで、現在は、龍泉寺の地蔵さんたちと同じところに、二体祀ってあるとの事。また、山田神社の本殿の右側に六角堂があり、その中に、聖徳太子の彩色木像があるとの事を教えてくださいました。
 このことに関して、2月17日の所ジョージさんの番組で、聖徳太子の特集があり、2月22日が太子の命日であり、仏教だけでなく、測量や建築技術の
導入に対する感謝の表れではないか
と合点がいきました。


(台座の刻字)
 一千三百年記念 聖徳太子 
大正九年九月建之 発起人久保田力松 
拾三円
(*石碑の前の刻銘) 
 桃谷法隆 森山領海 岩崎清八
 松尾喜次郎 林富太郎  金武宮三

★湯のみ茶碗30個寄贈
  南原 一ノ瀬茂正様

 ありがとうございました。