▼深代城遠景 ▼八坂神社




▼城跡の灯篭






 光壽無量。 謹んで、新年のご挨拶を申し上げます。
今年もどうぞ、お導きくださるようお願い申し上げます。
 寒波襲来とコロナウイルス第三波襲来の中で、新年を迎えました。人々の不安や恐れも感染拡大しているようで、差別や偏見が拡大しないように念ずるばかりです。苦悩が憎悪に変わることが多々ありますから、自粛は、そこに注がれるべきでしょう。
 心機一転、毎日いただく新しいいのちが輝く思いと行動を目指します。
 さて、1月は、親鸞さまの御正忌をお勤めします。お磨きやお華束盛りも例年通り、行うように話し合いました。ただ、飲食を伴う新年会は、中止します。
 御正忌は、御伝鈔を中心にお取次ぎをしていましたが、今年は、歎異抄を味わいたいと思っています。

 歎異抄は、河和田の唯円坊が、親鸞様の
教えと異なる教えがはびこっていることを
嘆いて、直接、親鸞様から教えてもらった
ことを書いたものです。親鸞さまから直接
聞いたことや、阿弥陀如来のご本願をいた
だいて生きていかれた親鸞さまの姿勢が味
わえます。        
  イラスト:鈴木いこ(本願寺新報より)
 
 例えば「善人なほもって往生を研ぐ、いわんや悪人をや」(第3条)「親鸞は弟子一人ももたず候ふ」(第6条)「念仏者は無碍の一道なり」(第7条)など不思議な言葉がたくさん出てきます。
 今月は、第2条を味わってみます。
 
「おのおのの十余ヵ国のさかいをこえて、身命をかえりみずして、たずねきたらしめたまふ御こころざし、ひとえに往生極楽のみちを問ひきかんがためなり。」
 京都に帰られた後、関東の弟子たちの間には、勝手な解釈がはびこり、混乱する中、何人かの門弟が、命懸けの旅をして、親鸞さまのもとにやってきます。

 訪問の目的が、往生極楽の道を聞く
ためですねと確認されます。そして、
法然様から教えられた法義の内容を懇
ろに語り尽くし、念仏を称えて地獄に
落ちても決して後悔しない。なぜなら
自力の行をいくら積んでも、地獄しか
行き場のないこの親鸞は、お釈迦様か
ら七高僧様方が受け継いでこられた絶
対他力の念仏の教えしかないからだと
おっしゃり、それ以上に知りたければ、
南都北嶺(奈良や比叡山)の学僧たち
に聞いた方がよいと言われます。
そのうえで、あなた方がこれからお念
仏を頂戴して生きようが捨てようが、
「面々の御はからいなり。」と厳しく
言い切られます。
この迫力に圧倒された門弟たちの感動
が、著者の唯円坊の心に響いたのです。

 今年は、このむりょうじゅで、少し
ずつ、歎異抄の不思議な言葉を取り上
げていこうと思っています。



●1月の行事予定(住職動静)

1~30日 お取り越し在家報恩講(ご希望に応じて )
     *日程は下記のように予定していますが、ご希望に応じます。

4日 総代世話人会 18時~法泉寺にて
日 お磨き、お華束盛り 8時~ (新年会は中止)
6日 伊万里栄町歌う会
10~13日 御正忌報恩講
     *朝6時  朝は、御伝鈔拝読
     *夜7時30分 夜は、歎異抄を味わいます。


13日 伊万里栄町歌う会
27日 伊万里栄町歌う会 


★新シリーズ「地域の古いもの」

▼金比羅宮

 ⑭深代城跡 (仏ノ原、下内野)


 国道202号蔵宿駅の踏切から下内野
方面へ斜めに入ると100mで八坂神社へ
登るコンクリートの階段がります。

八坂神社の境内には、国之礎と書かれた
忠霊塔があり、六地蔵産や西国光明48番
の札所があり、十一面観音像が祀られてあ
ります。

 社殿の左に深代城跡に登る道があり、
紀州粉河寺、奈良長谷寺、播州

寺などと刻字された観音様や地蔵様が道の
傍らに祀られています。

 登りつめると、視界が開け、仏ノ原、
迎ノ原、黒川、三代橋から外尾まで見通
され、原明の幕の頭や上本の砂門城(岩
谷城)、竜門の三つ岩、千代亀城、唐船
城、腰岳などはもちろん、西ノ岳の動き
もよくわかります。

 広場には、石の手水鉢 金比羅さまが
祀られており、千代亀城の造りとほぼ同
じです。
 金比羅さまは、海運の神様であり、
松浦党も水軍を擁していることから、
金比羅さまが祀られているのでしょう。

 余談ですが、仏ノ原という地区名は、
この深代城の参道にまします多くの仏
さま方のふもとに広がる土地であること
から名づけられたのかもしれません。
 また、有田川の向こうを迎ノ原と呼
びますが、上本にも堂の辻から本村川
を挟んでの土地を迎というので、仏教
の来迎思想と関係があるのではないかと
想像しています。

▼城跡から外尾方面を望む
▼金比羅宮


一口法話 2021.1 桃谷法信

心機一転
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