光壽無量。 謹んで、新年のご挨拶を申し上げます。
今年もどうぞ、お導きくださるようお願い申し上げます。
寒波襲来とコロナウイルス第三波襲来の中で、新年を迎えました。人々の不安や恐れも感染拡大しているようで、差別や偏見が拡大しないように念ずるばかりです。苦悩が憎悪に変わることが多々ありますから、自粛は、そこに注がれるべきでしょう。
心機一転、毎日いただく新しいいのちが輝く思いと行動を目指します。
さて、1月は、親鸞さまの御正忌をお勤めします。お磨きやお華束盛りも例年通り、行うように話し合いました。ただ、飲食を伴う新年会は、中止します。
御正忌は、御伝鈔を中心にお取次ぎをしていましたが、今年は、歎異抄を味わいたいと思っています。
歎異抄は、河和田の唯円坊が、親鸞様の
教えと異なる教えがはびこっていることを
嘆いて、直接、親鸞様から教えてもらった
ことを書いたものです。親鸞さまから直接
聞いたことや、阿弥陀如来のご本願をいた
だいて生きていかれた親鸞さまの姿勢が味
わえます。 イラスト:鈴木いこ(本願寺新報より)
例えば「善人なほもって往生を研ぐ、いわんや悪人をや」(第3条)「親鸞は弟子一人ももたず候ふ」(第6条)「念仏者は無碍の一道なり」(第7条)など不思議な言葉がたくさん出てきます。
今月は、第2条を味わってみます。
「おのおのの十余ヵ国のさかいをこえて、身命をかえりみずして、たずねきたらしめたまふ御こころざし、ひとえに往生極楽のみちを問ひきかんがためなり。」
京都に帰られた後、関東の弟子たちの間には、勝手な解釈がはびこり、混乱する中、何人かの門弟が、命懸けの旅をして、親鸞さまのもとにやってきます。
訪問の目的が、往生極楽の道を聞く
ためですねと確認されます。そして、
法然様から教えられた法義の内容を懇
ろに語り尽くし、念仏を称えて地獄に
落ちても決して後悔しない。なぜなら
自力の行をいくら積んでも、地獄しか
行き場のないこの親鸞は、お釈迦様か
ら七高僧様方が受け継いでこられた絶
対他力の念仏の教えしかないからだと
おっしゃり、それ以上に知りたければ、
南都北嶺(奈良や比叡山)の学僧たち
に聞いた方がよいと言われます。
そのうえで、あなた方がこれからお念
仏を頂戴して生きようが捨てようが、
「面々の御はからいなり。」と厳しく
言い切られます。
この迫力に圧倒された門弟たちの感動
が、著者の唯円坊の心に響いたのです。
今年は、このむりょうじゅで、少し
ずつ、歎異抄の不思議な言葉を取り上
げていこうと思っています。
●1月の行事予定(住職動静)
1~30日 お取り越し在家報恩講(ご希望に応じて )
*日程は下記のように予定していますが、ご希望に応じます。
4日 総代世話人会 18時~法泉寺にて
8日 お磨き、お華束盛り 8時~ (新年会は中止)
6日 伊万里栄町歌う会
10~13日 御正忌報恩講
*朝6時 朝は、御伝鈔拝読
*夜7時30分 夜は、歎異抄を味わいます。
13日 伊万里栄町歌う会
27日 伊万里栄町歌う会
★新シリーズ「地域の古いもの」
2021.1 桃谷法信