秋のお彼岸、法泉寺は、21-23日(夜7:30~ 23日は朝10:00-も)、お取次ぎを依頼されていた山代の尊光寺様と正福寺様は、22-24日(13:00-と14:30-)、うまく時間をやりくりして、合わせて10席のお取次ぎができました。
 阿弥陀経の六方段から話始め、ガンジス川の砂(恒河沙)の数以上の仏さま方が口をそろえて、ほめたたえてくださったお釈迦さまの御説法は、阿弥陀如来のお浄土とお慈悲、そしてその働きであるということをお話ししましたが、この此岸(娑婆堪忍土)から、かの彼岸(安養浄土)へ至る過程は、自力聖道門では、六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)などの行を励まねばならんのに、浄土門では、弥陀の願船にチケット代もいらず、信の一念で乗せてもらい、お礼は称名念仏(ナモアミダブツ)を称えて、少々の揺れはあっても、決して沈むことのない安心をえ、迷いの港を離れていくのです。
 というようなことを話しながら、気づいたのは、仏教の三宝印である諸行無常、諸法無我、涅槃寂静は、この到彼岸の状態を示してくださっているのだということでした。
 ①諸行無常というのは、この娑婆世界のことで、全てのものは移り変わっていくということを実感し、喜怒哀楽の中で、単なる知識や概念ではなく、重い事実として理解でき、人間の心を深くしていくのだと小説家の武田泰淳さんは説いています。
 そして、「絶対不変の現実があったとしたら、我々の心は決して深くはなりません。」と続けています。
 お釈迦さまがお示しの「人生は、苦なり」を通して、諸行無常を深く味わうのが、この此岸(娑婆堪忍土)です。
 ②諸法無我ということは、彼岸に至る過程で、自我を実感し、迷いの原因は、自我にあるということを気づかせてくれることではないのでしょうか。だから、般若波羅蜜を行ずることで、諸法無我をいただくことではないか、ほとんどの行者が、限界を感じるからこそ、阿弥陀如来の願いがお釈迦さまによって説かれたのだと思うのです。
 お取次ぎをしながら(話をしながら)気づかせていただく、これを「アクティブラーニング」と言うのだと思いました。
 頭の中で、思い描く空想をもとに計画を立て、実行するより行いの中で、気づきながら学んでいく、そのことが、とても大事なことだと思います。











新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」④ 
 岩﨑モンさん「おりゃー、みゃー」
 平成2年9月19日に103才で往生の
素懐を遂げられた岩﨑モンさん
は、亡く
なられる前日、「おりゃー(わたしは)
みゃー(参る)」と言っておやすみにな
られたそうです。

「みゃー」の意味は、きっとお浄土に
参るという意味だったのでしょうね、
と息子の眞市さんがおっしゃったのが
妙に耳に残っています。
 むりょうじゅ3号で紹介した時の拙
文がありますので、そのまま再掲載し
ます。
「南無阿弥陀仏をとのうれば、この世の
利益、きわもなし。流転輪廻の罪消えて
夜昼常にまもるなり(定業中夭のぞこり
ぬ)」という現世利益和讃の中の一首で
す。上本村舞原の最高齢者、岩﨑モンさ
ん(94才)の書です。
 モンさんは、朝晩、1年生のひろのり君と保育園のちかこちゃんのひい孫と一緒に、オキョサマ(意訳勤行)をあげて、お念仏を悦んでおられます。自分のあげるオキョサマは、カレンダーや広告紙の裏に全部自筆で書いて綴じたもので「らいはいのうた」や「しんじんのうた」などがあります。≪1983年11月、むりょうじゅ3号より引用≫
 モンさんの写真を借りに行ったら、
孫の薫さんは、岩﨑家の過去帳を見せて
下さいました。ご先祖様との関係や生年
月日、続柄まで書き込まれた過去帳は、
いいアイディアだと感心しました。







 ★10月行事(住職動静)
 

 13日 むりょうじゅ会 夜7時半~ (歎異抄を読む)
 
23日 永代経、門信徒総追悼法要 10~12時

     *今年度の該当者には、ご案内を差し上げます。
10月住職動静
 
1日,上本区多面的機構活動組織会議  
5日 有田町総区長会 10区区長連絡会
10日 郷土史研究会 12,26日 伊万里栄町歌う会 
20日 有田町総合計画会議 
21日 有田町老人クラブ ペタンク大会
*敬徳高校雅楽指導(コロナ感染予防のため不定期に開催)

●先日の台風14号で、掲示板が倒れて、
ガラスが散乱しました。早速、副総代の
岩永久止さんが片づけてくださり、段取
りをつけて、岩﨑和利さんが土台を作って
くださいました。掲示板は、新たに作成中
です。
 掲示板と言えば、フェイスブックや
ネットで、各地のお寺の掲示板が紹介され
ていますが、中々面白いものがあります。

●届いています!! 南無阿弥陀仏の摂取券。
 予約は不要、心配も無用。

 ワクチンの接種券をもじっていて、なかなかのものです。

仏教は、
  都合よく生きられたら幸せだという夢から
                覚める教えです。

一口法話    2022.10 桃谷法信

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