強国の傍若無人な他国侵攻、政治家と宗教団体の癒着、ウイルスの変異、異常気象による局地的災害・・・
 昨今の世の中の動きは、崩壊の一途をたどっているような情勢で、眼を覆いたくなるような腹立たしいことが多すぎます。 人間界にとどまらず、自然界も、ウイルス界も、バランスを崩してブレーキのない暴走する車のような有様です。
、まさに「無明煩悩しげくして、塵数のごとく遍満す、愛憎違順することは、高峯岳山にことならず」(正像末和讃)という様相です。これを、自分のことは棚に上げて、世間のこととみてしまうことが煩悩具足の凡夫である証拠だと教えてくださっているのが、親鸞様です。圯
 この御和讃は、親鸞さまが自らの心の有り様を厳しく見つめられ、計り知れない煩悩が、自らの心や体の隅々に満ちていると伝えてくださり、その心を、険しい山々と表現され、煩悩が激しく燃え上がっている様子を詠まれたものです。そして、人間が生きていく限り、悲しみや心配事から逃れられず、塵やホコリの様に臨終の一念に至るまで、とどまらず、消えず、耐えることはありません。
 親鸞さまのこの御和讃は、仏さまの光に照らし出された自らの恥ずかしい心の悲痛な思いが書き記されているのです。

 親鸞さまのような自らの見つめ方は、とうていできるようなことではありませんが、しかし、我が身を振り返る時、しっかり心に留めておくことは、できるようになりたいものです。
 
 人間の行動を、「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」と示され、目の前に広がる環境(縁)によって、どんなに良いことも、どんなに悪いことをも、しでかしてしまう存在なのだよ、と教えてくださっています。
 世界の情勢は、まさに、親鸞様が見通されたようなことに溢れかえり、不穏な空気に包まれつつありますが、その不穏さに光を当てて、必ず救うと誓いを立ててくださった阿弥陀様の誓願を仰ぎつつ、おかげさまを思い、感謝の心を忘れずに日暮らしをおくるようにつとめ、御恩報謝のお念仏を称えていきましょう。













新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」⑤ 
 岩﨑寅次さん
「聞思して、遅慮することなかれ」」
 1986年3月号から7月号まで5回にわた
って連続投稿してくださった今は亡き、
岩﨑寅次さんの原稿を、そのまま再掲し
て、御法を悦ばれていた寅次さんを偲ば
せていただきます。
「むりょうじゅ」に愚感をと法信さんに頼まれて、つい、いつもの悪い癖で、気安く承諾してしまいました。とにかく気取って見せても、人をだますことはできますが、真実の前にはいかなることも及びませんし、今、思ったまんまを述べて、皆様の手厳しいご意見、また、ご指範を仰ぎたいと思います。
 いつも、むりょうじゅを文書伝道の一端として拝読させていただいておりますが、失礼ながら三日坊主に終わらず、延々と続けられている所に非凡なることを思い、感謝しております。 さらに、昭和60年の元旦には、昔の日曜学校に倣って、土曜学校を始めたい旨を告げられて、これまた素晴らしい発想に感激いたしました。「親鸞さまに学び、たくましく生きん」とする、これこそ、浄土真宗の素晴らしいところだと思います。
 今後「むりょうじゅ」の余白を割いて、子ども心になったり、時には、つまらないもの知り同行となって、皆様のご高配をこうむりたいと思います。(つづく)

 寅次さんは、浄源寺の総代もしておられましたが、1月の御正忌の折には、午前5時からの浄源寺のお朝事にお参りになった後、午前6時からの法泉寺のお朝事にも欠かさずお参りいただいていました。










 ★11月行事(住職動静)
1日 退職者教職員役員会9:39- 
    社会福祉協議会理事会13:30ー
6日 有田町防災協議会総会 9:30-

7日 松浦組寺族研修会 太良町の正恩寺様にお参り後、太良観光ホテルにて 研修
13日 むりょうじゅ会 夜7時半~  
19-23日 秋の陶磁器祭り
22日 佐賀教区親鸞聖人御誕生800年浄土真宗開宗850年記念法要      (本願寺佐賀教堂)
  
23日 上本秋まつり 8:30ー三葉館グラウンド
28日 有田町本町 高齢者サロン説法ライブ



●9日の台風14号で、倒れた掲示板があっという間に修復できました。
 左官の岩崎和利さんが基礎のコンクリートをしいてくださり、大工の岩永久止さんが掲示板を製作し、割れたガラスを南アルミの義則さんが修理してくださいました。また、材料の木材は、有田木材センターの岩永武彦さんが提供してくださり、住職が塗装をし、照明器具を取り付けて、丈夫で頑丈な掲示板ができあがりました。ご門徒の皆さんの協力で支えられている法泉寺は、本当に有難いお寺だとしみじみ思います。

   

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一口法話    2022.11桃谷法信

いかなるふるまいもすべし