3月6日、有田町女性フェスタで、お話をすることになりました。オミクロン株の蔓延する中でのイベントは、ほとんど中止か延期の様相ですが、コロナ禍に負けない取り組みを、工夫して実施されるようになってきました。今回は、炎博記念堂のコンベンションホールでの500人規模での実施を縮小し、イベントホールに実行委員会のメンバーだけを入れての実施で、有田ケーブルネットで配信するということです。
 女性フェスタでのお話の内容は、「支えあういのち」というテーマですが、雲水空海、山川草木、悉有仏性、わたしのいのちを活かしている全てのものを、お月様と身体の関係をを例にとって、お話ししようと思っています。
 鼻鼻鼻鼻・臍(膝、肘、脇、・・)と言って、鼻を出発点として他の体の部分へ人差し指を移動させるゲームがありますが、今回の導入は、肩肩ゲームで、肩を中心にして指を移動させるゲームです。体の色々な部分を感じていただきます。体(いのち)を支えているほとんどの器官は、胃、腸、肺、脳、心臓、肝臓、腎臓などの五臓六腑、膀胱、膣、股、腱、肋骨・・等、ほとんどが「にくづき」の偏と旁の漢字です。
 なぜ、月という漢字が、私たちの体の部分にあてはめられているのでしょう。それは、いのちがお月様のリズムと重なっているからです。女性の月経、私たちの呼吸、みんなお月様と連動しています。月の動きによって、地球の海の干満が起こります。寄せては返す白い波は、1分間に18回、人間の呼吸も18回、その18という数が、もとになって、倍の36は、体温、その倍の72は、心拍数、その倍の144は、血圧の上限、その倍の288は、胎内の赤ちゃんが出産できる日数というように、こじ付けではありませんが、18は不思議な数です。得意な十八番(おはこ)は、18番、女性が一番輝くのが18才、男性も18歳の時が、一番、力が出るそうです。
 地中の水分も月の引力に関係してるというお百姓さんの話も聞いたことがあります。
 そんな話を導入として、地球上のあらゆる生きとし生きるもの全ての衆生が、お互いを支え、支えられながら生かされていることを、お話ししようと考えています。
「雨は大地を潤し、大地はいのちを乗せて、一つひとつがつながり、新たないのち生む。すべて光の中、水が僕を活かし、大地が僕を支える、全ておかげさま、みんなおかげさま」
(自作の「おかげさま」2番)という歌も歌います。この歌はユーチューブの「桃谷法信いのちの歌」でアップしています。
 ひるがえって、支えられている私は、いったい何を支えているのでしょうか?
 他を支えているのだというおごりは、いつか驕慢心につながって、苦悩の毒にさいなまされてしまう恐れがあります。生かされているいのちを有難くいただきながら、御恩報謝の日暮らしをさせていただく、それが、他のいのちを活かすことにつながっていく態度に変換させられると思っています。
 阿弥陀様のご本願が十八願というのも不思議で、大無量寿経に説かれている阿弥陀如来の仏身高が、六十万憶那由他恒河沙由旬(ろくじゅうまんのくなあゆうたあごうがあしゃゆうじゅん)という、天文学的数値で、十万光年という銀河系宇宙の大きさとほぼ同じということも、付け加えながら、お釈迦様が、2500年前にお説きになった「無財の七施」という歌で締めくくろうと考えています。
「眼施、和顔施、言辞施。心施、身施、床座施、茅舎施」という無財の七施は、やさしい眼差し、にこやかな笑顔、温かい言葉、思いやり、座席を譲って、雨露しのぐ安らぎの場を用意する、7つの行動です。
 欲を抑えるために、お釈迦様が示してくださった行動規範です。争いを防ぎ、お互いを尊重するための方法です。

 ウクライナ情勢を心配しながら、施しを忘れた一部の権力者の思惑と行動が教えるものは何か、考えさせられます。

●3月行事予定(住職動静)

4日 災害ボランティアセンター連絡協議会 社会福祉会館
6日 有田町女性フェスタ お話 炎博記念堂
7日 歴史民俗資料館評議員会 生涯学習センター
9日 総区長会 10区区長連絡会  
9日 栄町歌う会 (23日も)

 13日 むりょうじゅ会 夜7時30分~
15日 有田町空き家対策会議
16日 切口高齢者サロン 説法ライブ 切口公民館
 19~21日 春の彼岸会法座 夜7時30分~
     ●21日は、朝10時
夜7時30分からです。

25日 外尾山高齢者サロン 説法ライブ 外尾山公民館
28日 上本高齢者サロン 説法ライブ 上本三葉館



「地域の古いもの 有田町歴史民俗資料館(泉山、立部)

 有田町には、歴史民俗資料館が二つあります。
焼物中心の歴史を展示してある泉山の本館、農耕器具など暮らしの道具などを展示してある立部の西館、どちらも先人の苦労や暮らしぶりがしのばれる施設です。
 その評議員会の副会長(会長は今泉今右衛門さん)をしていますが、今、「そうだったんだ!有田内山まるわかり」という特集で、展示会が開催されています。これは、有田内山重要伝統的建造物群保存地区選定30周年記念として開催されていますが、その記念誌が送られてきました。
 前回のこのコーナーで取り上げた原明登り窯の紹介でも触れましたが、有田町には、発掘され保存されている登り窯跡が、66カ所あります。その詳細、そして370年前からの焼物産業の変遷など、写真や図を入れて、わかりやすく、編集されています。前館長だった尾崎洋子さん、現館長の村上伸之さん、学芸員の永井さんはじめ、スタッフや「れきみん応援団」の方々の働きでできた素敵な冊子です。
 2月いっぱいの開催でしたが、4月10日まで、延長され、3月19日には、「町家模型づくりワークショップ」もあります。何れも入場無料ですので、興味のある方は、ぜひご覧ください。

  
 

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一口法話    2022.3 桃谷法信

支えあういのち