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●「ちょっと来てくれん?」と電話があったので、迎八千代さん宅へ伺うと、いつもの地下足袋で野良着姿の八千代さんが小屋の入り口に立っておられました。「鉄扇のシャーてきれーかけん見てもらおうと思うて、忙しかとはわかっとったばってん今日しか見れんと思うて。」とおっしゃり、つつじの咲く庭園の奥へ案内されました。白い大きな花びらが,重なるように咲いていました。
「30年前、湯布院に仲間と旅行した時に買う
てきたつる花たい。こりゃー梅ちゃん(福田梅
子さん)ありゃー末男さん(中山)ありゃー
多鶴ちゃん(岩永多鶴子さん)…」
 花びら一つひとつを指さしながら語り掛け、
先立たれたお仲間の思い出を語られました。
八千代さんの心の中には、先立たれたお仲間
が仏さまとなって、還ってきてくださってい
るのです。

 浄土真宗のみ教えは、往生浄土と同時に還相回向がとかれています。いのちが終わって、逝ってしまうのではなく、成仏させていただいた後には、この世に還ってきて、有縁の方々を救うはたらきがあると説かれています。ご縁のあった方々が、仏さまとなって、私の傍に寄り添って、見守ってくださっています。そう信じることによって、大きなパワーがみなぎってきます。「信心悦ぶ人には現生に必ず十種の益を得る」というご利益の一つ、冥守護持の益(みょうしゅごじのやく:気づかない世界から見守られているということ)ではないでしょうか。
 
 八千代さんだけでなく、私の身の周りには、私を導いてくださる仏さまのような方がたくさんおられます。
 もう4,5年前になりますが、伊万里の西念寺の井手恵峰師が、「桃ちゅん、チュッと付きおうて」と言うので、ついていくと、唐津の鏡山の近くの殿古場と云うところで、民宿を営む謎の女性の所へ、連れていかれました。その女性は、宇宙人と交流ができるという不思議な方で、地球の人口は23億人が限度なのに、今90億を超えているので、そのうち宇宙の意思で人間が減らされることが起きるだろうとおっしゃいました。











 なんだか、コロナウイルスのことを予言されていたようで、不思議な気がしますが、僕を見て、「あなたは、少しベンが悪いようです。」と言われたので、「お通じはいいですよ。」と言うと、「いやいや、心臓の弁ですよ。」と言われたのでびっくりしました。定期的な検診で、いつも心臓の左心室偏旁と指摘されていたので、びっくりしたのと、その前に冠動脈にステントを挿入していたことを思い出して、納得しましたが、それより驚いたのは、「あなたの背後に、何万もの守護霊がついておられます。」と言われたのです。
 その時はよく考えませんでしたが、後でよく考えていたら、これは、還相回向のことかもしれないという思いに至りました。浄土真宗の二種の回向は、往相回向と還相回向と説かれています。浄土往生は、一方通行ではなく、往還回向由他力(正信偈)と説かれているように、阿弥陀如来による双方向の働きなのです。ですから、先にお浄土に生れた方々が、行きっぱなしではなく、還相摂化の働きで、有縁を度すと示されています。
 亡くなった方が守護霊(浄土真宗では霊の有無は邪見というとらえかたをしますが)となって、私の行動や考えを守ってくださっているのではないかと思う時が、屡々あります。
 宗学的には、異安心と言われるかもしれませんが、私自身は、亡くなられた方ばかりではなく、同じ時代を生きている人、歴史上の人物、いろんな人々が、阿弥陀如来の化仏となって、わたしを救ってくださっているのだと受け止めています。
 仏さまは、そばにいると思うと妙に安心できます。
 
  
新しい桁華飾り  取付ヶ所  元禄年間400年前の破風飾り

●上の写真は、この度、新調した本堂向拝の新しい桁華飾りです。400年もの間、風雪に耐えた写真右の桁華飾りに変えて、副総代の岩永久止さんが彫刻し、造ってくださいました。顔料で色をつけ、古いものと取り替えました。今度お詣りされる時、じっくりご覧ください。










●6月行事予定(住職動静) 


1日 防犯協会総会、社会福祉協議会総会 総区長会 
   10区区長連絡会
2日 2024佐賀スポレク全国大会準備会 社協理事会、 
5日 全国ふるさと美化運動の日
6日 敬徳高校雅楽指導(13,20,27日も)
8日 栄町歌う会 (22日も)

13日 むりょうじゅ会 夜7時30分~
        ●なまんだー体操をします。

18日 伊万里高校福岡佐賀同総会(福岡)
23‐24日 知真日曜学校同総会(京都))
26日 有田町民オリンピック前期大会 中止です。


*6月中 松浦組仏壮総会(日程調整中:法泉寺にて)



地域の古いもの どんつじ
       (堂の辻地蔵尊:上本)
 上本の舞原地区から南へ、原明へ通じる道の傍に濁り渕という溜池(堤)があり、道を挟んで、北側に小高い丘があります。そこを地元の人は、「どんつじ」と呼んで、親しんでいます。頂上に広場があり、お地蔵さんが祀ってあります。子どもが生まれると、親子で、あるいは家族でお参りし、お地蔵さんに前掛けを奉納する習わしがあります。毎年5月の連休後に、舞原地区の人がお掃除をし、お花や線香を備え、法泉寺の住職がお経をあげ、お斎代わりに、班長さんが用意したてんぷらちくわ、タケノコの煮しめで談笑するのが習わしとなっています。 子どもたちにはお菓子やジュースが配られ、1月の鬼火炊きと年に2回の舞原地区の恒例の行事になっています。

 由来(地蔵尊の石碑の裏側の碑文)
當山堂ノ辻二祀ラル地蔵尊ハ古老ノ言ニヨレバ数百年来ノモノト云フモ 其起源詳ナラズ。小供ノ特ニ深キヲ以テ誰云フトモナク子守地蔵ノ称アリ。雨露ニ曝サルルコト数百年、殆ド元体ヲ止メザルマデニ荒廃ス。依ッテ地元民相謀り茲ニ新体ヲ刻ミ再祀ス。  昭和九年八月十五日

 台座に刻された地元民の名前
左側:岩﨑納円,久保田弥平,福田定次郎 岩﨑與,岩﨑甚一,久保田乙一,岩﨑清
右側:岩﨑九衛門,久保田作太郎,岩﨑又蔵,久保田徳助,迎十八,岩﨑甚助,岩﨑真一

↑堂の辻地蔵尊

↓地蔵尊の裏面の刻字


仏さまは、そばにいる

一口法話    2022.6 桃谷法信