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一口法話    2022.9 桃谷法信

 18年前、伊万里の教法寺の順番報恩講。
午前中の授業を終えて、教法寺に着いたら、松浦組の結衆(出勤のお坊さん)は、七條袈裟の衣体を整え、準備万端でした。
 急ぎ、依体(七條袈裟)を着て、最後の威儀を整えようとした時に、時間が来て、結衆が動き出そうとした時のことです。、ご講師の近松照俊師(大阪八尾顕証寺)が、
「待ってあげなはれ」と声を発してくださいました。
 遅参して小さくなっていた身体にとって、大きな一言でした。なんと心づかいのできるお坊さんなんだろうと、たった一言が、胸に刻み込まれたのです。、法要の表白で、朗々と読み上げられた近松師の「親鸞聖人御俗抄」が今でも耳の底に鮮明に残っています。風貌が親鸞さまにそっくりな方でした。

 その近松照俊師が、8月20日のNHKBSプレミアム「340年ごしの和解~親鸞の血脈を引く二つの寺」という番組に出演されていました。
 現在の大阪城にあった石山本願寺、織田信長との12年にわたる石山戦争、お東(真宗大谷派)とお西(浄土真宗本願寺派)に別れたいきさつや、同じご門主系の寺院、八尾の顕証寺、平野の慧光寺、(どちらも近松性)が、340年の断絶を越えて、和解され、親鸞聖人と蓮如上人の遺骨を二つの寺で、護っていこうと誓いあわれた番組でした。
 ご先祖様の誤解から生じたわだかまりが、「今しかお詫びを申す時はない」と決意し、ある会合で、お詫びされ、花束を渡された照俊師、難く手を握り返されたお東の近松師。同じ血脈をいただく、二つのお寺の和解に、感動しました。

 その番組を通して、18年前の近松俊照師の心遣いの言葉が、鮮明によみがえってきたのです。
「速くしなはれ」ではなく、「待ってあげなはれ」。
これぞ、大無量寿経に説かれている「和顔愛語(わげんあいご)」です。伊万里の敬徳高校の各教室に掲げられ、校訓として、生徒の学びと姿勢の基本となっています。

 この番組をうっかり、ブルーレイディスクに録画してしまったので、何とかDVDにダビングして、プロジェクターで、映し出し、9月のむりょうじゅ会やお彼岸の法座で、ご覧いただこうと思っています。











●8月のむりょうじゅに「むりょうじゅ会」のご案内が掲載されていなかったので、8名ほどの参加でしたが、歎異抄を声を出して、読んでみようという取り組みを始めました。
 無人島にもっていく一冊の本という触れ込みで有名な「歎異抄」ですが、御弟子「唯円坊」の耳の底に残された親鸞さまの言葉が綴られています。毎回、少しずつ、声に出し、声を合わせて、読んでいこうと思っています。テキストとして、50冊ほど購入していますので、是非、参加されて、ご一緒に味わいましょう。
 


新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」③ 
  西川ワカさん
  「お念仏がこぼれてきなさる」
 
前総代、西川豊さんのの母上、
西川ワカさんは、平成8年8月1日、
101才で往生の素懐を遂げられました。
法泉寺の梵鐘ができた時、初打ちをしていただきました。
 ワカさんは、蓮如上人の「白骨の章」を悦ばれ、「お坊さんじゃなかとに、読んでもよかとやろか?」と言って、拝読しておられました。また、「夜中に目が覚めると、口からお念仏がこぼれてきなさる。」と寝床の中で、称名念仏申されていました。お念仏を悦ぶその姿は、その人だけでなく、息子さんやお嫁さんやお孫さんの心の中にずっと残ります。ご家族だけでなく、周りの方々をも教化します。夫の覚一さんが2月の寒い日、おワカさんが8月、年に2回のお祥月命日には、六親眷属あつまって、お祥月の法要をお勤めになります。お祥月のお斎の時、親戚や年寄りからそれぞれの家の歴史を聞き、生かされているいのちを感じることができるのだと思います。









 ★9月行事(住職動静)
 
*予定されていた行事が、次々に中止になっています。
      町民体育大会や敬老会も中止です。
 3日 松浦組仏壮安居夏季研修会 法泉寺→中止
   
9:00本堂でお参り 9:20三葉館グランドにてグランドゴルフ大会 
    コロナ過のため各寺院3名の参加 12:00昼食 13:00 研修会
 13日 むりょうじゅ会 夜7時半~  
    全戦没者追悼法要
 (9/18 国立千鳥ヶ淵法要お取り越し)
 18日 平和の鐘 13:15~
(全戦没者追悼法要に合わせて) 
 21~23日 秋の彼岸法座 夜7時半~ 
      
23日は、朝10時からの法座もあります

 22~24日 東山代町里 尊光寺様 秋の彼岸会お取次ぎ
●9月住職動静  
1日,29日 伊万里栄町歌う会  
6日 退職教職員協議会役員会
8日、有田町岩谷川内高齢者サン説法ライブ 
10日 郷土史研究会 14日 有田町総区長会 10区区長連絡会

13日 有田町上山谷高齢者サロン説法ライブ  19日 上本地区敬老会(中止 
*敬徳高校雅楽指導(コロナ感染予防のため不定期に開催)


8月15日 正午、平和の鐘を撞きました。
 子どもたちに集まってもらって、平和への願いの言葉を書き、宣言をしてから、一人ずつ、平和への思いを込めて、鐘撞をしてもらいました。
「戦争をやめて」「いのちを大切に」「紛争をやめよう」「NO,WAR]
など
、小学1年生から中学2年生まで10人ほどが撞いてくれました。
   

愛語「待ってあげなはれ