6月の豪雨、7月の炎暑、地球環境がほころび始めた表れ。
国連環境部は、猛暑から炎暑へと言葉を替えて警告しています。
不可解な人間の行動も、壊れ始めた地球環境の表れかもしれません。さまざまな原因が考えられますが、行き着くところは、人間の欲と怒りではないでしょうか。清濁混交から清濁分離へ突き進んでいく世界の動きは、ウイルス(いのち)や気候に大いに影響しています。
 善導大師が示された「二河白道のたとえ」が、現実となった感があります。
 人間の欲と怒りを水と火に例えて、お釈迦さまの発遣と阿弥陀如来の召喚に応じ、救われる一つの道を、白道として示されたのです。

二河白道(にがびゃくどう)とは、浄土教における極楽往生を願う信心の譬喩。ニ河譬(にがひ)とも。善導が浄土教の信心を喩えたとされています。主に掛け軸に絵を描いて説法を行いました。

河白道図(奈良国立博物館蔵、重要文化財

 絵には、上段に阿弥陀仏観音菩薩勢至菩薩のニ菩薩が描かれ、中段から下には、真っ直ぐの細く白い線が引かれています。 白い線の右側には、水の河が逆巻き、左側には、火の河が燃え盛っている様子が描かれている。 下段にはこちらの岸に立つ人物とそれを追いかける盗賊、獣の群れが描かれています。

下段の岸は現世、上段の岸は浄土のこと。 右の河は貪りや執着の心(欲に流されると表すことから水の河)を表し、左の河は怒りや憎しみ(憎しみは燃え上がると表すことから火の河)をそれぞれ表しています。 盗賊や獣の群れも同じく欲を表します。

 東岸からは釈迦の「逝け」という声がし、西岸からは阿弥陀仏の「来たれ」という声がします。 この喚び声に応じて人物は白い道をとおり西岸に辿りつき、悟りの世界である極楽へ往生を果たすというものです。













 
この絵を味わうたびに、「人生苦なり」と喝破されたお釈迦さまの慧眼に感動します。欲も怒りもある程度は自分でコントロールできますが、切羽詰まれば、どうしても抑えきれないものです。法然様や親鸞さまは、自分の感情を抑えきれぬ存在を「煩悩具足の凡夫」と教えてくださいました。親鸞聖人のみ教えは、このどうしようもない底下の凡夫を救う方法は、二河白道の例えによるしかないと阿弥陀如来の本願を勧めてくださったのです。 
 それが「悪人正機」この大悪人のわたくしを救い取ってくださる絶対他力の本願力なのです。我利我利亡者の私を「自力の計らいを捨て、他力にまかせよ。」と勧めてくださっています。 
 今年も夏休み初めの5日間、曲川小学校のプールで、初心者水泳教室をしました。毎年行われている西有田スポレク協会の主催で、もう40年以上も指導をしていますが、毎年、アミダパワーを感じています。地球の引力は、中心へ向かっているのに、水の中では、なぜ、浮力という遠心力が働くのか。力めば沈むのに、任せれば浮く、このパワーはどこからくるのでしょう。まさに南無不可思議光如来の不思議な力です。
 

★新シリーズ
「お念仏を悦ぶ人々⑭は、今月お休みします。











●お知らせ
 有田町中樽の辻聡彦さんは、法泉寺のご門徒です。陶芸家で、有田焼の様々な器や陶板画を作製し、全国のデパートで展覧会を開催したり、上有田駅を活性化する仕掛けを色々考える鉄道ファンでもあります。その辻さんの展示室の聰窯ショールームで、8月8日から「手のひらにのる小さな世界」ー緒方周子ミニチュアコレクション展ーが開催されます。辻さんは、有田町の活性化につながったらいいなあという思いで、沖縄出身で福岡の筑後在住市在住の緒方周子さんが収集しておられるさまざまなミニチュアの展示会を開催されます。11月30日までのロングランですので、ぜひ覗いてみてください。
       

★8月行事予定(住職動静)●お盆参りの日程(9日~15日)
 9~12日はフリー
ご希望があれば、お参りさせていただきます。TEL下さい
 13日( 初盆、佐賀、武雄方面
 14日(
 県境、佐世保方面

 15日(月) 伊万里方面、その他

*上記のように、予定していますが、お盆参りを遠慮される方、日程のご希望の方は、
 090-4989-1768(住職携帯)か46-3748(法泉寺、桃谷)まで、ご連絡ください。
★8月住職動静  10日、24日 伊万里栄町歌う会 (13:30~15:00)

★8月15日●平和の鐘●を鳴らしてください。

 
すべての戦争による犠牲者を追悼し、その悲しみや痛みに寄り添い、子どもたちへ平和で安全な未来を残すために「平和の鐘」を鳴らし、”いのちの尊さ”を伝えましょう 鐘を撞きに来てください。(住職は盆参りで不在ですが、自由にお撞きください)

 また、東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われる「全戦没者追悼法要」に合わせて、9月18日13:00~13:30にも「平和の鐘」を撞きます。参加できる人で、平和イベントを楽しみ、世界の平和を願いましょう。


一口法話    2023,.8 桃谷法信

豪雨と炎暑
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