浄土真宗では、親鸞聖人のお手紙のことを「御消息」と呼んでいますが、それに倣って、ご門主からのメッセージも「消息」と言う言葉が使われています。さまざまな行事の折に、ご門主が真宗門徒に伝えられるメッセージです。
今年は、親鸞聖人生誕８５０年、浄土真宗開宗８００年の慶讃法要ご満座の消息が発布されました。
宗報や佐賀教区報など寺院や僧侶向けの広報誌で掲載されますが、一般のご門徒の皆様には、中々周知されません。
そこで、今月は、その御門主の消息を掲載して、浄土真宗の今日的方向性を知っていただきたいと思います、
「本年３月２９日より５期３０日間にわたってお勤めしてまいりました親鸞聖人御誕生８５０年立教開宗８００年慶讃法要は、本日をもって、ご満座をお迎えいたしました。この度の５０年に一度の御勝縁に国内外より多くの方々にご参拝いただき厳粛かつ盛大にご法要をお勤めすることができましたのは、仏祖のお導きはもとより、僧侶・寺族・門信徒など有縁の方々のご懇念の賜物と心より感謝申し上げます。
私たちが浄土真宗のみ教えを確かな拠りどころとして生きることができるのは、親鸞聖人が『顕浄土真宗教行証文類』（教行信証）を著され、『仏説無量寿経』に説き示される阿弥陀如来の本願名号の真実の教えを明らかにされるとともに、聖人のみ跡を慕う多くの先人方がみ教えに生かされる喜びを今日まで大切に伝えてこられたからに他なりません。
私たちは、阿弥陀如来の知恵の光明に包まれ、照らし出されることによって、今まで気づかなかった罪悪深重・煩悩具足という自身の姿とともに如来の広大な恩徳を知らされます。そして、このような私たちが、如来に慈しまれいると同時に私たちの悲しみを如来の悲しみとして受け入れていただけることを信知することで、自身の悪業煩悩を心から慚愧し、少しでも執われの心を離れなければならないと気づかされます。
それは、自分だけの安穏を願うような自己中心的な生き方から、人々の苦悩を共ににしていく生き方への転換であり、そこから大智大悲という如来のお徳を真実と仰ぎ、それに沿うよう努める念仏者の生き方が開かれてきます。
そして、その努め励んでいくままが如来のお徳に促され、ご本願に生かされて生きる姿になるのです。
この度の慶讃法要を機縁として、あらためて「世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」と願われた親鸞聖人のお言葉を深く心に刻み、これからもお念仏を喜び、阿弥陀如来の知恵と慈悲をあらゆる人々に伝えることで、自他ともに心豊かに生きることのできる社会の実現に向け、さらなる歩みを続けてまいりましょう。
2023年令和5年5月21日 龍谷門主 釋 専 如
●お知らせ
関連した行事は、松浦組でも計画されています。下記のポスターのように
、記念の慶讃法要が勤まります。どうぞ、お参りいただき、本願寺勧学・深川宣暢和上の御法話を聴聞されてください。
１２：３０～記念コンサート「慈恩」井石弾さん（ヴァイオリン）野口志保さん（ピアノ）
１３：３０～慶讃記念法要（松浦組法中）
１４：００～記念法話・深川宣暢師（本願寺勧学、龍大名誉教授）
★新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」 ⑭は、今月お休みします。
★９月行事予定（住職動静）
２日 松浦組８５０，８００慶讃法要（浄源寺１２時３０分）
＊松浦組仏教壮年会のグランドゴルフ大会は、１１月に延期になりました。
6-7日 住職学友久堀文門氏３回忌法要（三重亀山市）
13日 むりょうじゅ会 夜７時３０分～
19,20,21日 秋の彼岸会法要 夜７時３０分～
21日は、朝１０時も勤めます。
22-23日 大分宇佐市 教覚寺様へ彼岸会の出講
１４日、２8日 伊万里栄町歌う会 (13:30～15:00）
★９月１８日（祝：敬老の日）●平和の鐘●を鳴らしてください。
すべての戦争による犠牲者を追悼し、その悲しみや痛みに寄り添い、
子どもたちへ平和で安全な未来を残すために「平和の鐘」を鳴らし、
”いのちの尊さ”を伝えましょう 鐘を撞きに来てください。（
これは、東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われる「全戦没者追悼法要」
に合わせて、９月１８日１３：００～１３：３０に「平和の鐘」を撞きます。
参加できる人で、鐘を撞いて、世界の平和を願いましょう。
●お知らせ
娘、桃谷花凛は８月２０～２９日、京都の西本願寺西山別院にて、住職資格取得のための本願寺教師教習の研修に参加して、住職の
資格をいただきました。現在、佐賀労働局に勤務していますので、すぐに
法務はできませんが、お葬式などの執行や法名授与など、住職の仕事
ができるようになりましたので、お知らせいたします。
まだまだ未熟ですが、どうぞよろしくお願いいたします。、
2023,9 桃谷法信