混迷の中で、2023年の新年を迎えました。
あけましておめでとうございます。今年の干支は兎。飛躍の年であるように、皆様のご活躍を念じます。               

   ともあれ、今年もよろしくお導きください。
 さて、親鸞さまがお正信偈を著されてから、今年で800年です。
西本願寺では、800年経過した2023(令和5)年を立教開宗800年として、記念法要が執り行われます。コロナ禍でなければ、本山にお参りして、親鸞さまのご苦労を偲びたいところですが、
人員制限のため、団体参拝が困難な状況です。
 法泉寺では、1月の御正忌と5月の降誕会で「立教開宗800年、ご誕生850年」の記念行事を開催しようと考えています。
 考えてみれば、稲田の草庵で、書き上げられた正信偈は、ご本典「教行信証」全6巻の信巻の一部ですが、阿弥陀如来の誓願をお釈迦さまがお説きになり、七高僧(龍樹、天親、曇鸞、道綽、善導。源信、源空)様方によって、時と所(インド、中国、日本)を越えて、受け継がれたものを120句の七言絶句にまとめ上げられたものです。
 その御苦労は、推敲や書き直しの箇所がたくさんあることから想像できます。下の写真は、高田本の復刻版の一部や東本願寺所蔵の写本ですが、何べんも何べんも書いては書き直し、書き直しては推敲を重ねられた跡がわかります。
    
 また、「正信念仏偈」と「念仏正信偈」は、文言や順番が微妙に違っていて、親鸞さまの葛藤を窺い知ることができます。
 そんなことを思いながら、ご法事や月参りの最後に「恩徳讃(旧譜)」を必ず歌うことにしていますが、お参りの皆様が、ほとんどご一緒に歌ってくださるようになりました。
 これまで、800年の間、お念仏のみ教えが相続されてきたのは、蓮如さまや名もない師主知識のお蔭だとの思いを込めて、歌わせてもらっています。


新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」⑦ 
 岩永 孝さん(お念仏の悦びを絵と詩で表現)

 岩永孝さんは、ほとんど耳が聞こえられませんでした。「耳が不自由なことは、有難い。電話にでんでもよかし。嬶の愚痴も聞こえてこん。」といって、ご法義のお味わいを絵に描いたり、詩にしたりしてよろこんでおられました。退職された後、デパートのガードマンをされていた時、万引きの若者を追いかけて階段を転げ落ち、脊椎を損傷され、九死に一生を得られた後は、朝が来て、今日のいのちをいただいたとよろこばれ、目が覚めたら体を動かさんともったいないと、朝6時に鐘を撞きに来てくださっていました。少々頑固な面も、お持ちでしたが、昨年94才でお亡くなりになるまで、お念仏を悦ばれていました。
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 笑顔の孝さん  蓮華草の絵と蓮の花の絵に言葉を添えて。(法泉寺本堂の天井画)
数えきれないほどの絵言葉が、残されています。

お取り越し報恩講、有難いことでした。
 例年のごとく、11月の終わりから、12月30日まで、一軒一軒、お取次ぎをさせていただきました。お正信偈をあげて、御伝鈔下巻第二の「稲田興隆」を拝読し、教行信証の著述と浄土真宗の立教開宗についてお話しさせていただきました。恩徳讃(旧譜)を合唱して、「ほおんこさん」のお勤めが終わります。
 お磨きが見事な家庭が何軒もあり、感心させられました。留守の所もありましたが、ご家族そろって、お正信偈をあげ、お念仏を称えられる方の声が、大きくなったと思いました。
 親鸞さまの遺徳とご苦労を偲んで、謹んで、お勤めさせていただきました。

住職が誤って、携帯電話の電話帳を消してしまい、連絡が取れず、お参りできなかったお宅がありました。誠に申し訳ありませんでした。

 ★1月行事と年間行事 (住職動静)
◎今年の主な行事は、次の通りです。
1月4日 総代世話人会 午後5時~法泉寺
1月7日 もち米洗い、もろ蓋準備 午後3時~法泉寺
1月8日 仏具磨き、お華束お餅つき 午前8時~

1月10~13日 
御正忌報恩講 朝6時~と夜7時半~
     12日は、子ども報恩講(雅楽演奏と音楽法要)


㋁13日 初御講 午後6時~お斎、7時~お勤め
3月19~21日 春の彼岸法会 夜7時半~
         21日は、午前10時からもお勤めします。
4月13日 むりょうじゅ会(御文章拝読)
5月13日 むりょうじゅ会(親鸞聖人降誕会)
毎月13日は、むりょうじゅ会です。(7月はお盆でお休み)
9月21~23日 秋の彼岸法会
10月29日?永代経法要
11月~お取り越し在家報恩講~12月いっぱい
12月13日 終いお講 午後6時~お斎、7時~お勤め
12月31日 除夜の鐘~年越し正信偈 11時45分~

 
★1月住職動静
3日 有田町20歳のつどい  4日 総区長会・10区区長連絡会  
5日 有田町賀詞交歓会  8日 消防出初式  9日~11日 子ども雅楽練習 
11日 退職教職員協議会役員会  19日 栄町うたう会 
21日 老人会と子ども会の交流会  26日 栄町うたう会 
法泉寺の本堂向拝の紅梁には、「波に兎」の彫り物が飾られています。
約400年ほど前の江戸時代の元禄年間にに彫られたものです。

一口法話    2023,1 桃谷法信

800年の時を越えて
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