一口法話    2023,6 桃谷法信

有難いご誕生
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 親鸞さまの降誕会850年、浄土真宗立教開宗800年記念の慶讃法要を、5月28日に炎博記念堂文化ホールでお勤めしました。
 子ども雅楽による音楽法要、子ども雅楽の演奏、そして、大須賀ひできさんのライブで、親鸞さまのご誕生をお祝いしました。出演者、スタッフ含めて、約200名ほど参集していただき、盛況でした。 子ども雅楽の演奏には、OBOGの参加もあり、かなり重厚な演奏ができました。お勤めは、娘の花凛が調声をし、最後は、大須賀さんも加わっていただき、「旅ゆく親鸞」を会場参加者全員で合唱しました。
 第2部は、大須賀さんのステージで、デュークエイセスの往年の歌やフォークソングメドレーなどを一緒に歌い、平和を願って「リメンバー」(ヒロシマナガサキ)を熱唱され、デビュー曲「かたぐるま」は、涙を誘いました。最後は、私もハモリとギターで参加し、ふるさとを全員合掌しました。
 ロビーでは、モリンガ茶の接待やお数珠販売、CDやグッズの販売、東北大震災支援のためのミニタオル販売、サイン会など、たくさんの方々のご協力で、盛会のうちにイベントができたことを有難く、あつく御礼申し上げます。 
 親鸞さまのご誕生のお蔭で、800年の時の流れの中に、どれだけの人々が救われ、安心したことでしょう。阿弥陀如来の今現在説法は、親鸞さまのお導きで、今、茲に確実に至り届いています。「いのち毎日新しい」の言葉を味わうたびに、新しいいのちが誕生しています。老少不定の境は、消えて、「いま、ここ、そして私」が毎日誕生しているのだという思いを有難くいただいています。

 会場の一角に、「みんなで正信偈」というコーナーを設け、ご来場の方に一字ずつ、正信偈の文字を書いていただきました。これは、お亡くなりになった故上田正臣さんの聖教書写を展示して、その一部「正信偈」をお手本にみんなでお正信偈を完成させようとの思いからの企画でした。七言絶句120行840字の全部は埋まりませんでしたが、これから法泉寺のSDGsの取り組みの一環として、続けていこうと思っています。
  
上田さんが書写された聖教 みんなで正信偈書写  故上田正臣さん

 
そこで、今月のお念仏を悦ぶ人は、上田さんのエピソードです。

 
新シリーズ「お念仏を悦ぶ人々」⑫ 
 上田正臣さん(お念仏は、たからもの)

 西有田町の運動会には、ピエロやおてもやんなどに扮装し、毎回衣装を替えて、応援されていた上田さんは、町民は誰でも知っている有名キャラクターでした。その上田さんが、奥さまのご往生をご縁として、法泉寺のご門徒になられました。持前のキャラクターで、行事のたびに会を盛り上げてくださり、上海帰りのリルやおてもやんの踊りは、天下一品でした。また、観光バスの運転手をされていた時に知り合われた宝塚歌劇団のトップスターとの交流もあられ、色々な異彩を発揮しておられました。
 もう10年以上前のことですが、浄土真宗佐賀教区松浦組の仏教壮年会の研修会(毎年多久の孔子の里にある東原庠舎で開催されていた)の当番寺になった時、スタッフとして参加されていた時の出来事は、上田さんにとって、大きな転換点でした。当番寺の住職が講師と決まっていましたので、「同朋」についてのお話の中で、上田さんが書かれた讃仏偈の小さな書付を小瓶に入れたものを見せて、このような悦び方もあるのですと紹介した時、後ろの方で、「そがんただいでんでくっばい。」というつぶやきが僕の耳に届きました。そのつぶやきが上田さんの耳に届かないはずはありません。上田さんの聖教書写が、始まったのは、その研修会の直後からです。
 正信偈からはじまり、讃仏偈、重誓偈、御文章。十二礼、を障子紙の巻紙に書写していかれました。浄土三部経(大無量寿経上下。観無量寿経、阿弥陀経)・・・それはそれは、一字の間違いも許されない集中力で、何巻も書き上げていかれました。熊本の弟さんや叔母さん、お念仏を悦ぶ周りのお同行にも惜しみなくプレゼントされていました。法泉寺にも全巻、奉納していただきました。本当に頭の下がる行動でした。
 上田さんは、子どもさんの仕事の関係で、佐世保の早岐に引っ越しされましたが、その後、体調を崩されて、2017年11月30日に往生の素懐を遂げられました。享年85歳でした。

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 ★6月行事 (住職動静)

13日 むりょうじゅ会 夜7時30分~
1日 有田陶器市反省会
3日 嬉野市塩田町、唐渡庵17回忌法要
3日 子ども雅楽反省会 夕方6時~
8、23日 伊万里栄町歌う会
11日 知恵おくりプロジェクト、ジャガイモ収穫予定.13:30~
13日 曲川小学校学校運営委員会

ろくろ体験と絵付け
 コンサートのリハーサルの音合わせと照明合わせを早々に済ませ、乃利陶窯の樋口憲人さんの作業場で、ろくろ体験をしました。大須賀さんも僕も初めての体験で、緊張して、手首が固くなり、何回も「柔らかく」という指導を受け、何とか、お湯のみとご飯茶碗とぐい飲みを作りました。大須賀さんの作品はなめらかで、僕のは、少々荒っぽい仕上がりになりました。性格が出るのだなあと思いました。その後、お蕎麦をいただいて、午後の本番に備えました。下の写真は、その時、大須賀さんがサインされた陶板です。

●当日の写真や録画が、プロデュースと舞台設定と子ども雅楽のお世話と音響や照明の打ち合わせで、撮れませんでしたが、たくさんの方々が、ビデオやユーチューブなどでアップしてくださっています。ありがとうございました。