7月のお盆参りは、初盆が18軒もありましたが、息子の自然(西宮在住)が13,14の二日間、娘の花凛(佐賀労働局勤務)が、三日間、手伝って、100軒ほどお参りしてくれました。上下本村、原明、黒川の皆様には、お世話になりありがとうございました。
 お盆が終わったら、月逮夜のお参りもなく、少しゆっくりできるかと思いきや、柚木の大念寺様の永代経の出講(20,21日)を失念していたり、お葬式が続けて2件できたり、地区の区役の草払いもあり、高齢者サロンの説法ライブも入っていて、ゆっくりできませんでした。有田町内の小中学校のプールの水が全て、落とされ、初心者水泳教室がなくなったことで、少しは助かりました。
 さて、今年のお盆は、讃仏偈をお勤めした後、御文章(末代無知章)を一緒に拝読しました。むりょうじゅ会でもご一緒に(聖人一流章)を拝読していますが、じっと、拝聴するよりも、口に出して拝読することで、味わいが違うのではないかと思ったのです。
 もともと、御文章は、低頭し、拝読者の声を蓮如上人の声として、拝聴するように本山(西本願寺)は、薦めていますが、御文章ができた室町時代は、まだ、文字を読めない人も多く、読み聞かせることで、真宗の教えを浸透させる意味があったようですが、現在、ほとんど文字が読めますので、音読することによって、味わいが違ってくるのではないかと思ったからです。
 口に出して、文字を読む音読には、さまざまな効果があります。目で見て、視神経を、耳で聞いて、聴覚を、声を出して、言語中枢と口腔内機能、心肺機能を刺激し、脳を活性化させる大きな働きがあります。老化防止、認知症の予防には最適な活動です。
 高齢者サロンや通いの場、社会福祉協議会主催などの色々な認知症予防の催しもありますが、日常の生活の中で、気軽にできる脳の老化防止には、お経を読んだり、御文章を拝読することが最適ではないかと思っています。そのような行動で、味わいが深くなり、おかげさまを実感でき、生かされてある幸せを有難くいただくことができると思います。
 













東井義雄先生の言葉⑧
 これからではない、すでに救いのみ手の中


 あまり苦しまないように、あまり、周りのものの迷惑にならぬような死に方、それは、もちろん望むところです。が、そんな死に方を選び取る力のある私ではなかったのです。
 七転八倒、のたうちまわって死なねばならぬかもしれない私なのです。「死にともない」「死にともない」と、わめきながら死んでも、まちがいなく、摂めとられる世界がちゃんと、既に成就(完成)されていたのです。どんなに努めても、沈む以外ない私を、沈ませない船、それが、私のために用意されていたのです。ここで、気が付かせてもらってみましたら、私の父は、「人間に生まれさせてもらった以上、ここまで来なかったら意味はないのだぞ」と、私を臨終の座に呼び寄せてくれたのではなくて、いつの間にか、自分の力を頼む私に、「そんなもので人生の一大事を乗り越えることはできるものではないぞ」と教え、「生きても死んでもみ手の真ん中」という世界に目覚めさせるために、私を呼び寄せ、身をもって、その広大な無碍の世界を私に伝えようとしてくれたのだと気づかせていただいたのでした。そして、思うのです。ひょっとすると、あの父は、如来さまが、私のために遣わして下さった如来さまのお使いであったのかもしれないと思うのです。そして、私にとって、一番大切なことを私に伝え、私を目覚めさせるために「父」となって、この世にあらわれてくれたのではないか、と、思われてくるのです。
 幸いに、今のところ、私に癌転移の様子はないようです。しかし、私の妹が申します通り、私も妹も「ひび割れた器」のような身の上です。いつ壊れても不思議でない体です。「終わりの時」は、目の前にあるのです。でも、妹が申します通り「いつ壊れてもみ手の真ん中」です。終わってから「み手の真ん中」に拾っていただくのなら「ひょっとして拾っていただけなかったら…」という不安もあるのでしょうが、現在ただ今、既に「み手の真ん中」なのですから、死にざまなどにかかわりなく、「いつ壊れても、み手の真ん中」なのです。この安らぎの世界に目覚めさせてくれたのは父です。父は、やっぱり、まちがいなく、如来さまのお使いだったにちがいありません。












★8月行事(住職動静)  ●お盆参りの日程(9日~15日)
 9~12日 フリーご希望があれば、お参りさせていただきます。TEL下さい
13日( 初盆、福岡、唐津、佐賀、武雄方面
14日(
 県境、佐世保方面

15日(月) 伊万里方面、その他
●平和の鐘を鳴らしてください。
*上記のように、予定していますが、お盆参りを遠慮される方、日程のご希望の方は、
 090-4989-1768(住職携帯)か46-3748(法泉寺、桃谷)まで、ご連絡ください。
★8月住職動静
8日、22日 伊万里栄町歌う会 (13:30~15:00)  22日 退教協役員会(15:00~)

しっこりさん ⑤かんねーさんの奈良漬け

 唐津にかんねーさんちゅう、とんちのきく人んおらすとばってん、こないだ、そん人ん、はがいしゃしよらしたけん、どがんしたとやーって聞いたぎ、今でん、はごーごたって言わしたとさい。
 らんかんも、なーんも付いとらん泥橋に腰かけて、子どもたちは、しっこりさんの話に耳ばかたむけとーと。

 かんねーさんの 道ば歩きよらしたぎー、向こうから、めくらさんの白ーか杖ば、とんとんとんってして、ないじゃいろ探しもんすっごた格好で、こっちに来よらしたけん、「ないじゃいろ、探しもんね?」って聞いたいば、
「いんにゃさい、奈良漬けば落っちゃかしたけん、さがしよっと。」て、言わした。
 あいた、さっから、拾うて、いち喰うた奈良漬けのことじゃなかかと、思わしたばってん、知らーん顔して、「奈良漬けな、うまかもんね。そいでん、そがんた、目ーかからんやったばい。」って言わしたとさい。
 めくらさんな、「困ったにゃあ、ありゃー俺いが大事か薬やったととけー。」
、「奈良漬けの薬てやー」
「うんさい、俺いも信じられんばってん、医者さんの言わすけん、ほんなことやろーと思うて、貼っとったったい。」
「どけー貼っとったと?」
「俺りゃ、痔の悪うして、どがん薬ば塗ったっちゃーいっちょん、よーならんけん、医者さんの、こいば、しんのすに貼っときんしゃい。って言わしたけん、奈良漬けば、しんのすに貼っとったばってん、いつんはじゃーおっとれて、のうなっとーじゃなかね。」
そいば聞いたかんねーさんな、「おえーっ」ちゅうて、ひっくりかえらしたて。


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一口法話    2024,.8 桃谷法信

音読、拝読