おかげさまで 400号 
    

 新緑の美しいこの5月、一年中で一番空気がおいしく感じられます。そして、今年はなぜか黄砂が少なく、明るい光になかで、青い空と緑の山々が、くっきり見えています。しかし、黄砂は目に見えるけれど、PM2,5や放射性物質トリチウムは、無色透明無臭なので、とても心配です。伊万里市では、各公民館に線量計が置いてあり、貸し出されていますし、北波多村の山口さんは、毎日放射性線量を計測しておられます。4,5日に1度の割で急に線量が高くなる日があるそうで、放射性廃棄物処理のために重水素トリチウムがベントされているのではないかと心配されています。こんな状況の中で、原発再開を容認されるのですから、やっぱり、親鸞様の言われるように、「この世のことは、そらごとたわごと、まことあることなきに」が実感されます。
 さて、この5月で、この「むりょうじゅ」が400号となりました。1983年創刊ですから、足掛け34年、初めのころは、手書きの片面だったのが、100号ぐらいから両面刷りとなり、200号を前にしたころから、ワープロと手書きが混在し、やがて、パソコンで書き、ネットで配信するようになりました。
 ストックしている「むりょうじゅ」を見ていると、色々なシリーズを特集したことが懐かしく、仏教用語やしんらんさまの不思議な言葉など、色々な特集や住職の思いなどを、一口法話として掲載してきましたが、読み返していると、恥ずかしさや忸怩たる思いがしてきます。部数も100部から始めて、現在は、350部となりました。これは、門信徒の増加もさることながら、門信徒制度にとらわれない(余宗や他寺の御門徒、無宗教の方へも呼びかけたこと)むりょうじゅクラブという形をとることによって、浄土真宗ばかりではなく、仏教の宣布を探る試みでもありました。
 これからも、お葬式や法事だけでなく、様々な機会を通して、仏法にご縁を結ばせていただくことが、これからの伝道法だと思うのですが、寺カフェやライブ、コンサート、写経、お経解説会、・・・など各地のお寺でさまざまに催されていることを、参考にして、新たな試みを実践していこうと感じているむりょうじゅ400号通過点の思いです。
 
 じつは、この400号を転機として、「はがきの文書伝道にしようか」とか「一口法話を手書きにしようか」とか「399号でおしまいにしようか」などと考えているうちに、有田陶器市が始まったので、いつものようにパソコンで打ち始めてしまいました。何にも変わることなく、400号ができつつありますが、一番思い続けたことが、「手書き」でしたので、これからの課題として持ち続けたいと思っています。
 今後ともどうぞよろしくご愛読いただき、御叱責、ご指導、ご鞭撻のほど、切に願いあげます。


●手すりが新しくなりました。

 転落防止のために、西側の用水路
の手すりを岩永久止さんにチクって
もらいました。これまでは、住職の
手作り竹製の手すりでしたが、2,3年
たつと、 竹が割れて見た目も悪く
なっていたので、今回、木製にしま
した。塗装は、住職の仕事で、キシ
ラデコールで下塗りをし、表の方だ
け弁柄で渋い赤に塗り上げました。

●シャクナゲ、藤がきれい。
           
 盛りを過ぎましたが、シャクナゲと藤が、
とてもきれいでした。郷土史会の2次会を、
拙宅でしたとき、ライトアップして花見をしました。
お寺の入り口の右と左にあります。



新シリーズ 仏教的に食を味わう①「身土不二」

 これまで、25回にわたって連載してきた「仏像のまね」に代わって、今月から、新シリーズ「仏教的に食を味わう」ことについて、述べていきたいと思います。
 その1回目は、「身土不二(しんどふじ)}。
 世界がグローバル化し、外国産の珍しい食べ物がスーパーやショッピングセンターで見られるようになって、久しいのですが、お腹を満たすだけ、珍しい初物を食べてみる、旬でもないものを食する、グルメ志向・・など、食生活の乱れが、多くの体調不良を引き起こしている気がします。
 身土不二という言葉は、仏教用語で、「身と土は、二つにあらず」と訳します。寒い土地では、体を温めてくれる根菜がよく育ちますし、暑い地方では、体を冷やす果物やツル科のものが多く採れます。
 住んでいる所から見渡せるところで採れる作物を、旬のうちに食べる、これが、仏教的に食を味わう、いのちをいただく一番大事なところなのですが、今の食糧流通環境からいえば、とうてい無理な話です。しかし、少しでも、この身土不二の考えを心の片隅に入れておくことが大事です。わざわざ高いお金を払って、外国の珍しいものを食べたり、季節外れのものを食べて体を弱らせたりしないようにしましょう。地産地消の考え方もこの身土不二と合致します。

 


一口法話

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2017..5桃谷法信

●5月の行事 

 11~12日 福岡県嘉麻市
          長教寺様 永代経へ出講
    
 13日 むりょうじゅ会(親鸞聖人降誕)
       夜7時30分~
      
 14日 原明お講(百武尚江さん宅