光のちから

 水仙が凜と咲き、葉は、ぴーーんと天に延びています。
今年も忘れずに、梅の花や唐胡椒の花が咲きました。
 花に目が向くのは、1月2月の忙しさから解放されたからでしょうか。心が落ち着かなければ、花を愛でる余裕などないからです。河津桜も早、満開です。
 花が咲くのは、暖かさもさることながら、光の強さがつぼみの硬さを和らげ、花を開かせているのでしょう。花を見ていると、本当に心が和みます。いのちがあるからです。
「咲いた花見て喜ぶ折は、咲かせた根元の恩を知れ。」とは藤野良典さん(神崎の浄土宗のお坊さん)の口癖でした。
 花ばかりに目を向けるのではなく、花を咲かせしめている大きな働きに気づいてほしい、との願いでしょう。
 根元の恩とは、土の中にある「根」のことばかりではありません。光や空気、気温、湿度…周りの環境すべてのことでしょう。私たちの気づかない大きな働き、それを「おかげさま」という言葉で、先人は、言い伝えてきました。
 花を咲かせるための「おかげさま」は、花ばかりでなく、生きとし生きるものすべての上に働いてくださいます。
 もう4,5年前に、そんな思いを込めて、歌を作りました。

 「
おかげさま」 作詞作曲 桃谷法信

1、時々、僕は、空を見る。空は、いつも、僕を見てる。
  時々、僕は、山を見る。山は、いつも、僕を見てる。 
  すべて、光の中、空が,僕を育て、山が,僕をはぐくむ。
  みんな、おかげさま。すべて、おかげさま。

2、大地は、いのちをのせて、いのちは、つながりあって
  一つひとつが かさなり、新たないのち 生む。
  すべて、光の中、土が草を育て、草が虫をはぐくむ。
  みんな、おかげさま。すべて、おかげさま。
 
3、時々、僕は、月を見る。月は、いつも、僕を見てる。
  時々、僕は、星を見る。星は、いつも、僕を見てる。 
  すべて、光の中、月が,僕を育て、星が,僕をはぐくむ。
  みんな、おかげさま。すべて、おかげさま。

4、水は、大地を潤し。川は、すべてを 受け入れ。
  清きも濁りも拒まず、万川は、海に還る。 
  すべて、光の中、川が,僕を生かし、海が,僕を迎える。
  みんな、おかげさま。すべて、おかげさま。

 明るい3月の光のちからに、
合掌です。
無量の光をインドの言葉で、
アミターバーと言います。

 
○春の彼岸会 ご案内

 夜が明けるのが、目に見えて、早くなりました。冬至から春分へ、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉が無くなるのではないかと思うほど、地球温暖化が現実になってきました。
 閑話休題(さて)、法泉寺の春の彼岸会を、29,20,21日の
夜7時30分より、21日は、朝10時からもお勤めします。一方に偏らない仏教の中道の教えに基づいたバランス感覚(暑さ寒さ、昼夜、左右‥‥)は、心地よいものです。その環境で、しっかり仏法聴聞させていただきましょう、
 室町時代、
自力聖道の一休禅師は
お彼岸は、十万憶仏と聞きしかば、足腰立たぬ婆は、行けまいと詠まれました。それに対して、
他力浄土門の蓮如上人は、
お彼岸は、十万憶仏と聞きしかど、近道すれば、南無の一声
とお答えになったそうです。
 成仏するために、自力聖道門では、六波羅密(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)の行を修めねばなりませんが、他力浄土門では、如来の本願力に乗ずれば(信ずれば)必ず往生して成仏できるということを、二人の歌で比べられた譬えです。
 この本願力を仰いで、御恩報謝のお念仏を申すこと、それが肝要です。どうぞ、南無阿弥陀仏のお念仏、ご懈怠なきよう、念じつつ、お彼岸のご案内を申し上げます。、

仏教的に食を味わう 大根

 大きな大根や小さな大根をいっぱい戴きました。体中、大根の栄養で満たされて、おかげで、インフルエンザにかかることもなく、風邪をひくこともなく、抵抗力満々のパワーをいただきました。おでんはもちろん、なますを切ったり、大根おろしにしたり‥‥、からかったり甘かったりするので、上からや下からの擦り方かなと思ったり、大根の種類なのかなと思ったりしていると「いひゅうもんや根性腐れんもんの擦るぎ、辛ろなっとばい。」と言われ、妙に納得しました。確かに、力を込めて、擦ったら、粗く辛くなるように感じます。ゆっくり柔らかく擦ると、少し甘いように感じます。よく切れる包丁のせいかな(さしみのように)とか、おろしがねのせいかなとも思います。でも、この辛味こそ、ラファサチンという物質で、発がん抑制作用、抗菌作用が、あるのです。
 しかし、大根のことを良く調べてみると、70℃以上になると、ジアスターゼ(消化を助ける)やリパーゼ(脂質を分解する)の働きは、すべてなくなるそうで、えっ、それじゃ、おでんや、風呂吹きは、どうかというと、ほとんど栄養価0の食べ物だそうで、‥‥でもダイエットにはいいですよね、とまたまた、妙に納得しました。
 葉っぱも栄養たっぷりです。ビタミンCは、ホウレン草の5倍、カルシウムは、5,3倍、脂溶性のビタミンA(βカロテン)もいっぱい含んでいます。葉は、さっと茹でて冷凍保存し、炒め物などに入れると、最高のご馳走になります。

3月の行事予定(住職動静) 

 
9日 伊万里栄町歌う会 13:30~
13日 むりょうじゅ会 17時30分~ 
14日 原明お講 吉永 博さん宅です。19時~
16日 伊万里市栄町歌う会13:30~
19-21日 春の彼岸会 19:30~ 
     21日は、朝10時からもお勤めします。
21-23日 伊万里市松浦町提川 明尊寺様へ出講


 


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2019.3 桃谷法信