西有田の方言 「二重母音発音について」
 発音  合成  使用例
やー あ+い やーさつ(挨拶)、やーらしか(あいらしい)
おー あ+う おーてくっけん(会ってきます)、おーた(会った)
いー い+い いーやー(言い合い)
えー い+い えーかげん(いい加減)
えー え+い えーが(映画)、えーきゅう(永久)
えー お+い えー(甥)、えーて(置いて)
ゆー い+う ゆー(言う)
いー う+い しーもん(吸い物)、きー(杭)
うー お+う うーぎ(扇、大木)、うーかわ(大川)
老人の言いぐさを聞いていると、理解に苦しむこともあるが、無意識に自分が言った言葉にはっとすることも多い。なぜなのかはさだかではないが、大陸に近く、特に朝鮮半島の影響は、かなりあるものと考えられる。地名にいたっては、佐賀藩は、「郷」が多いのに比べ、大村藩、平戸藩は、「免」が多い。朝鮮半島では在所の呼び名の後に「免」が多く残っている。それだけ距離的に近い関係かもしれないが、言葉の上でもその影響は免れないものと思う。この二重母音発音も日本語にはない響きから相当な影響があるものと考えられるが、ハングル語との相関を調べるのは、課題として、今後の研究を待ちたい。
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