私たちは、自分の体のことをどれくらい知っているのでしょう。
 1分間に18回ほど呼吸をして、36度Cの体温を保ち、72回の心拍数、144㎜Hg以上は要注意の血圧など、18の倍数になっているのは、母親の胎内が、お月様と連動して、卵子が生まれ、お月様の動きによって、潮の満ち引きが18回のリズムで寄せては返しながら干満を繰り返しているのと関係があるのだそうで、お釈迦様が、阿弥陀如来の48願の中で一番大切な願(王本願)を第18番目に配置されているのとも関係があるのかもしれません。僕のいのちが、宇宙と連動しているということが、おぼろげながらわかるくらいで、何故そんなリズムなのか、くしゃみや咳や鼻水が病原菌を防ぎ、発熱さえも白血球の働きを活発にするために40度近くまで体温を上げるのだということも何故なのかわかりません。自分の力ではなく、大きな働きの中にあるのだ、という絶対他力のはたらき、摩訶不思議なはたらきというほかありません。それをインドの言葉で、アミターヤス、アミターバーと言い、中国の言葉に翻訳されると「阿弥陀仏」というのです。お寺やご家庭にある阿弥陀如来の仏像や絵像は、方便法身といって、真実の姿が目に見えない煩悩具足の凡夫のために、はたらきを形に表してくださってあるのです。ですから、本当の阿弥陀如来は、姿はなく、形も匂いもありません。それでは、何にもわからないではないかと思われるかもしれませんが、阿弥陀如来のはたらきは、私の体の中に満ち溢れていることを、最近しみじみと味わっています。
 その一つに、耳石(じせき)というものがあります。耳石は、内耳にあって、バランス感覚をつかさどり、筋肉や循環期間、消化器官、脳中枢などと深くつながりがある繊毛の上に存在する小さな石(0.3mm)で、体力を維持するために必要不可欠なものだそうです。
 宇宙飛行士が、一定期間の無重力世界から地球に帰還すると、自力では歩けなくなり、抱きかかえられたり、車いすのお世話になったりしているのを見て、何故なのか不思議でした。宇宙基地の中では、筋トレや体力維持の運動をされているのにどうして地球に帰ってくると歩けなくなるのか、アメリカのNASAでは、そのことの不思議を長年研究されていたそうです。

 その結果、無重力状態の中では、内耳の奥にある「耳石」がほとんど動かず、筋力だけでなく、循環機能や認知能力など体のすべての機能が衰え、寿命も縮んでいくことが分かったそうで、例えば、滞在期間が三か月だと約三分の一の一か月分の命が亡くなるそうで、びっくりぽんです。
 これは、宇宙飛行士の問題ばかりでなく、人類全体というか、動物のすべての命に係わることでしょう。動きの素早い魚類などは、人間の10倍から20倍もの大きさ(3~6㎜)で年輪も見られ、魚の年齢がそれでわかるそうですが、体のこなしの良さは、どうも耳石に関係しているようです。
 無重力状態でもなく、地球上でも宇宙飛行士と同じ症状は起こりうるそうで、ディスクワーク、座り仕事、麻雀など同じ姿勢を何時間も続けると、1時間当たり20分の寿命が短縮されるそうで、その予防法として、30分に1回は、立ち上がるなりの体を動かす動作をすることだそうです。NHKのためしてガッテンで、そのことを知りました。
 考えも及ばない、気づきもしないそんな働きに、僕の命は守られて、今ここに生かされているのでした。体の中も外も、アミダのはたらきに満ち満ちていたのです。ありがとうの言葉は、「ナモアミダブツ」です。

仏像のまね 忿怒の形相

 
先月号の続きで、四国のことをもう少し書きます。真言宗のお寺や修行の場所には、大日如来や薬師如来などとセットのようにお不動さんが祀られていました。お不動様は、何故、怒った顔をされているのでしょうか。密教経典によれば、不動明王は、お釈迦様が悟りを開いた菩提樹の下の座禅中に煩悩を焼き尽くしている姿だとされています。悟りを開くまでは、この場所を動かぬ(不動、無動)と決意され、世界中の魔王や千人の少女たちの誘惑に対しても、穏やかな表情で降魔の印を結び、たちまちに説破し、超力で降伏させたのです。その時のお釈迦様の内証を表わしたのが、お不動様の憤怒の形相だと言われています。
 他への怒りではなく、なまけようとしたり、うそをつく己への怒りをまねしようと思います。


  
   ●12月の行事 

 私ごとになりますが、11月22日から、有田小学校に勤務しています。産休補助講師という名目で、代わりの先生がどうしても見つからないので是非ともということで、勤めることになりましたが、12月は、お取り越し報恩講も予定していたので、調整に大変で、門信徒の皆様にもご迷惑をかけることになるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。ほおんこさんの日程は下記のように予定していますが、土曜日曜と夜は自由が利きますので、都合の悪い方は、ご連絡ください。
 在家報恩講は、真宗門徒にとって、大切な相続です。お磨きやお荘厳など、親鸞様のご苦労を偲びながらお勤めしましょう。

2日 岳地区高齢者サロン説法ライブ
3日 お取り越し在家報恩講(楠木原、下本)
4日 お取り越し在家報恩講(有田、下本)
10日 お取り越し在家報恩講(佐世保、)
11日 お取り越し在家報恩講(佐賀、武雄、伊万里)
13日 むりょうじゅ会(終いお講 夜6:00~)
   ●女性部の美味しいお斎があります。
14日 原明おこう(浦川真千子さん宅 夜7:00~)
17日 お取り越し在家報恩講(原明上)
18日 お取り越し在家報恩講(原明下)
23日 お取り越し在家報恩講(上本岩谷)
24日 お取り越し在家報恩講(上本迎)
25日 お取り越し在家報恩講(上本舞原、舞原団地)
26~30日 お取り越し在家報恩講(大山、その他)
31日 除夜の鐘
(どなたでも撞きに来てください。11時40分~
     ついたらそのまま本堂へ、年越しお正信偈をお勤めします。

 ちなみに1月初めの行事は、「下記のとおりです。
1日 元旦 修正会(大みそかから引き続き、勤めます。)
4日 総代世話人会 夕方5時ぐらいからです。場所未定、まず本堂へどうぞ。
8日 お磨き、お華束盛り 新年会 多数ご参集ください。
10~13日 御正忌報恩講(朝6:00~ 夜7:30~)
     12日は、子ども報恩講です。雅楽の演奏を致します。
14日 原明お講

一口法話

耳の中の石
 

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2016.12 桃谷法信