一口法話

        上本遺産

 岩﨑数馬区長の肝いりで、地域に残っている古いものを、子どもたちや区民に知ってもらおうと、去年の4月ごろから準備をして、とりあえず、9カ所選び、標柱を建て、案内パネルを作成して、11月23日のおまつりの日に、上本遺跡巡りのウォークラリーを実施しました。①権現さん②三葉館門柱。③忠霊塔。④岩谷城跡。⑤桃谷自牽顕彰碑。⑥法泉寺本堂。⑦どんつじ地蔵尊。⑧本村古道跡。⑨さもじろの堤由来石塔。の9カ所を100分(参加者には秘密)で、回って得点を競うラリー形式のイヴェントを行いました。歩行が困難な人や、お年寄りのために、武雄の京都屋さんが赤いレトロバスを運行してくださり、みんなが楽しめたようです。



 わたしは、プランを練っただけで、当日はいませんでした。山口市の正台寺様へ、御正忌報恩講のお取次ぎに出かけていたからです。木本信昭さま(元、下関博物館の副館長、有田町の教育長を長年勤められていた)が正台寺の総代をされていて、是非、説法ライブをしてほしいとのことだったので、出かけていたのです。あいにく体調を崩されていて、日赤山口病院へ緊急入院されていたので、お見舞いに行きました。膠原病が悪化して、体に斑点が出ておられましたが、ベットに寝たままで、親鸞様のことを熱く語られました。1時間近く、とめどなく語られ、入院されても執筆されていた「歎異抄に聞く」という草稿を渡され、君の感想が聞きたいとおしゃいました。本当は、木本さんの家で、一献傾けながら、ゆっくりお話が聞きたかったのですが、それができないので、ホテルを用意してくださっていました。食事も豪華なフグ料理をごちそうになり、「獺祭」を飲もうと思っていましたがなかったので、「山頭火」という地酒をいただきました。飲みすぎたら原稿が読めなくなるので、ほどほどにして、草稿を読み始めたのが、8時ごろ。ぐいぐい引き込まれるように読み浸り、気が付くと、夜中の丑満つ時になっていました。山頭火さんや大山澄太さん、四国の詩人、坂村真民さんなどのエピソードを交え、(僕も坂村真民さんとは30年以前から交流があり、懐かしく、「念ずれば花開く」や「二度とない人生だから」を思い起こしていました。)また、在家仏教の真如会を主宰されていた紀野一義さんとの出会いや交流などを織り込みながら、親鸞様が残された言葉を唯円さんが書き留めてくださった「歎異抄」についての考察は、僧籍を持ったものには書けない内容がふんだんに散りばめてありました。そして、鋭い指摘は、唯円坊は、親鸞様の言葉を聞いた時のまんまであるのに、唯円坊に語られた後の親鸞さまは、進化されて、深化されて、自然法爾(じねんほうに)へ行き着かれたのではないかということでした。ぼくは、はっとして、思考は、止まることなく深化すると思いました。それは、年齢を重ねたら重ねるほど、深くなるのではないかと思ったのでした。


●桃谷法信いのちの歌シリーズ
 今、有田中部小学校の子どもたちが、ユーチューブをよく見てくれています。
5年生と歌った「じょいやさ」という曲は、夕鶴やかさこ地蔵の音をモチーフにしたオリジナル曲で、30年以上前に作った曲です。聞いてみてください。

仏教的に食を味わう⑲ いのちをいただく

 毎年、11月上旬、法泉寺本堂で、佐賀県猟友会有田支部(原口隆司会長)の鳥獣供養法要が営まれています。今年は11月9日、いのししが500頭以上、カラスやアライグマなどのいのちの法要を行いました。人間にとっては害獣ですが、イノシシやカラスにも命があります。狩猟し、いのちを奪う時、猟友会の方々もつらい思いをされています。私たちの食事は、いのちをいただいているのです。親鸞さまは、遺言で、「某、閉眼せば、鴨川に入れて、魚に与うべし。」と言われました。自身のいのちを保つために他のいのちをいただいている罪悪深重の凡夫の自覚から出た言葉です。「多くのいのちと皆様のおかげによりこのご馳走を恵まれました。深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。」という食前の言葉をかみしめながら、合掌いたしましょう。

12月の行事予定  

 親鸞聖人の遺徳を偲ぶ「在家報恩講(ほおんこさん)」は、真宗門徒にとって、大切な相続です。お磨きやお荘厳など、親鸞様のご苦労を偲びながらお勤めしましょう。
 今年は、有田中部小学校に終日勤務しているので、夕方から夜、お参りさせていただきます。ご希望の日時をご連絡していただければ、ありがたいです。

1日 有田町ボランティア協議会研修会説法ライブ
8日~30日 お取り越し在家報恩講(、   )
13日 むりょうじゅ会(終いお講 夜6:00~)
   ●女性部の美味しいお斎があります。
14日 原明おこう(岩永浩美さん宅 夜7:00~)
15日 お取り越し在家報恩講(原明上、佐世保方面)
16日 お取り越し在家報恩講(原明下 佐賀方面)
22日 食生活改善協議会研修会 説法ライブ

23日 お取り越し在家報恩講(上本岩谷 
24日 お取り越し在家報恩講(上本舞原、舞原団地)
31日 除夜の鐘(どなたでも撞きに来てください。11時40分~
  撞き終えられたらそのまま本堂へ、年越しお正信偈をお勤めします。

  ●冬休みに雅楽の練習をします。
法話のページへ

2018.12桃谷法信