向拝の柱の上には阿形と吽形の獅子が前向きに、
龍が左右を向いて、それぞれ彫られています。
      

 5月の光は、一年の内で一番明るく感じます。
秋の紅葉も美しいのですが、新緑の葉っぱの輝きは、
それ以上の美しさです。時々緑の葉っぱを眺めながら、
いつも、何時でも、葉っぱは僕を見ていると感じます。
 なぜ、そんな風に思うかといえば、
例えば、呼吸。
息を吐くたびに老廃物としての二酸化炭素を吐き出し、
息を吸うたびに、新鮮な空気(酸素)を吸っています。
 葉っぱは、太陽の光を浴びて、二酸化炭素と水分によって光合成を行ない、酸素をつくりだして、気孔から排出しています。そのために、空気は、窒素78%酸素21%二酸化炭素その他1%に保たれているのです。ここ30年ぐらいで、二酸化炭素の割合が、0.003%から限りなく0.004%に近づいてきているので、地球温暖化の原因にもなり、心配されているのは、ご存じのとおりです。
 そんなわけで、わずらわしさもなく呼吸ができるのは、緑の葉っぱのおかげです。
 私が気づこうが気づくまいが、そんなことはおかまいなしにはたらきづめに働いてくださっている葉っぱ。

 「葉っぱのはたらきと同じように、僕たちの考えも及ばない働きがあるのだよ。そのような働きは、無数にあるのだよ。計り知れない無量のひかりといのち。 その働きを、「アミダ」というのだよ。」と教えてくださったのがお釈迦様です。
 そしてその教えを伝えてくださった、仏弟子たち、名もなき三蔵法師たち、龍樹菩薩や天神菩薩、曇鸞様、道綽様、善導様、源信様、源空上人法然様、それらの方々を、師主知識と仰ぎ、その恩徳は、骨を砕き身を粉にしても報ずべし謝すべしと悦ばれたのが親鸞さまでありました。

 いつも、葉っぱから見守られての呼吸だったのです。
いつも、阿弥陀様から見守られてのいのちだったのです。

 お礼の言葉は「ナモアミダブツ」です。

仏像のまね④

 お釈迦様の涅槃図や涅槃像は、必ず、横向きです。
仰向けの涅槃像なんてありません。
頭は北、顔を西に向け、右の腹を下にされています。
これを「頭北面西右脇(ずほくめんさいうきょう)」といいます。
 インドや東南アジア、中国の著名なお坊さんたちは、お亡くなりになるとき、その姿勢で、涅槃を迎えられるのです。
 浄土宗を開かれた法然上人の往生の様子を、親鸞さまは、
「道俗男女予参し、卿上雲客群集す。頭北面西右脇にて
 如来涅槃の儀をまもる。」
「本師源空命終時、建暦第二壬申歳、初春下旬第五日
 浄土に還帰せしめけり。」と高僧和讃に遺されました。
もちろん、親鸞さまも頭北面西右脇で往生の素懐を遂げられました。
 では、何故、頭北面西右脇で往生されるのでしょう。
そのわけは、来月号で。
 6月の行事予定

 3日(水)PM7:00~ お寺ライブ第1弾
     フレットレスベースの職人 織原良次さんの演奏
     無料です。お気に召したら、CDをお求めください。

13日(土)PM7;30~ むりょうじゅ会例会
     お寺ライブ第2弾
     松井仁志さんのケーナの演奏
     サンポーニャも吹いてくださいます。
     無料です。お気に召したら、CDをお求めください。
           
 
本堂の外側を塗装してもらったので、彫刻されているところを、顔料で塗ってみました。
見守られています 

法泉寺本堂の彫刻

波に兎
破風飾りの奥に鬼がいますその下に、波に兎の彫り物。
火事を防ぐ波と、子孫繁栄の兎が、元真言宗の寺院らしさを示しています。
波に鯉
向拝の右の柱の上の飾りで、大胆な鯉の翻る様子が彫られています。波がしらの一つ一つの彫刻が素晴らしい出来ばえです。
波に麒麟
始めは馬だと思っていましたが、しっぽや角が生えていることから、麒麟だと思
われます。

2015.6 桃谷法信

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