2018,11 桃谷法信
今月11日、年に1度の永代経法要をお勤めします。
浄土真宗の御門徒が、永代経(永代読経)を大切に思われるのは、この法要が、亡き人、ご先祖様に対する報恩感謝の気持ちを表す場になっているからでしょう。
先にお浄土にお生まれになった方々が、営々と引き継いでくださった「いのち」をいただいて、私が今、生かされれてあることの不思議さや尊さを感じ、アミダ(無量光アミターヤス、無量寿アミターバー)のはたらきの中にあることを再確認させていただく法要だからです。
親鸞さまは、「教行信証」の終わりに「前に生れるものは後のものを導き、後に生れるものは、前のもののあとを尋ね、途切れることのないように」とお念仏のいわれを示してくださっています。
亡くなった方やご先祖様のためにお参りすると思われがちですが、浄土真宗では、仏となった方が、先回りをして、本堂やお仏壇の前へ、導いてくださっていると考えます。
そして、「前のもののあとを尋ね」ることによって、本当のよりどころを、み教えに聞く、それが、この永代経の意義だと思います。
亡くなった方の働きがあるなんてと思われるかもしれませんが、私は、結構、その働きにあずかっています。
その働きを「冥衆護持の益」と言います。(目に見えぬ方々から護られる)というご利益です。これは、お念仏の行者は、現生に十種の益を得るというご利益の最初に出てくる言葉ですが、自分勝手な願いではなく、自然にそなわってくるという浄土真宗独特のご利益です。
自力でもがきながら手に入れるものではなく、お任せするという気持ちで、絶対他力を頼めば、知らず知らずのうちに身に備わってくるというものだと思います。「朝のこない夜はない。」とか、「明日は明日の風が吹く。}とか、「なんとかなるさ。」という気分になれます。沖縄のおばあが「なんくるナイサー。」と言っているのを聞くと、このおばあは、長生きするぞと思います。
ひるがえって、自分のことを考えると、オファーがあったら、あまり考えることもなく、簡単に引き受けてしまいます。何とかなるだろうと思っているからです。そして、そこでは、色々なことが学べます。例えば、学校では先生が生徒に教えると思われていますが、私の場合は全く逆で、子どもたちに教えてもらうことが多いのです。次世代を生き抜かなければいけない子どもたちの吸収力は、すごいものがあります。出来得る限り、遺言をしていくことが、歳をとったものの使命だと考えて、なるべく多くのことを伝えたいと思っています。
冥加も、成仏も、求めてもがいても(自力)、なかなか成就できません。生かされていることへの感謝と御恩報謝の活動をすることによって、自然と具わってくるものです。
それが、アミダ(阿弥陀、無量光、無量寿)の働きです。
お礼の言葉は、「なもあみだぶつ」御恩報謝の称名念仏です。
なお、冥加の意味は、辞書などには、
知らず知らずのうちに、神や仏、あるいは菩薩などから加護をこうむること。仏は、潜在的に衆生の能力に応じて冥加を与えるとされ、その冥加に対する感謝のしるしとして、神社や仏閣に奉納する金銭のことをも言う。
と、書かれています。
冥助、冥利などのほかに、江戸時代の冥加金は、雑税の一種で幕府や藩から許可を得た商工業者がその代償に収益の一部を献金または、税として上納したもの。
とも書かれていました。
◎11月 行事予定・住職動静
● 1日(木) 有田歴史探訪バスツアーガイド13:30〜
●3日(土) 伊万里栄町歌う会 13:30〜
●9日(金)有田猟友会 鳥獣法会 18:00〜
●11日(日)永代経法要 13時〜
●13日(土) むりょうじゅ会 7時30分〜
●14日(日) 原明お講(前田征子さん宅)
●17日(土) 佐世保市上原町高齢者サロン 説法ライブ
●23日(金) 山口市光台寺報恩講 説法ライブ
●24日(土) 伊万里栄町歌う会 13:30〜
●30日(金) 大山小学校芸術鑑賞会ライブ
*三線、バンジョー、フィドロ、ギターなどの演奏
◎11月中頃より、お取り越し報恩講のお参りに伺います。
12月後半に集中しますが、ご希望があれば、ご連絡くだ さい。 詳しい日程は、12月号でお知らせします。
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★仏教的に食を味わうQ コマツナ小松菜
ホウレン草やコマツナ、ベンリナなど、冬場の青菜は、王菜(おうな)と呼ばれます。それくらいビタミンやミネラルが豊富で、体のために良いということです。
コマツナもビタミンA・C・Kのほか、カルシウムや鉄分など、ミネラルがいっぱい含まれています。
ミネラルは、300万分のT秒で体に入ってきた毒素を消す酵素を作る働きがあります。ですから、貧血や便秘、美肌に良いと言われているのです。
また、秋から冬場のコマツナの絞り汁は、いぼ取りに使うと、びっくりするくらい効果があると言われています。 |
●永代経法要ご案内 11月11日(日) 13時より
法要 表白において、法名(俗名)を読み上げます。
読経は、お正信偈6首引きです。
御法話 ご講師は、本願寺布教使、中村章師です。
15時ごろ終了予定です。
*この法要は、全門信徒追悼法要ですので、どなたも、お誘い 合わせてお参りください。
冥加(みょうが)