拝まないものも・・・

　毎朝、楽しみに見ていたNHKの朝ドラ「半分青い」が、９月２９日に終了しました。学校に勤め始めた９月からは、BSで
7;30～45の放映を見てから出勤していました。
　スパローリズムのそよ風ファン「マザー」の発売記念のあいさつで、律くん（佐藤健）が言いました。
「ワコサン（母）に、そして、ゆう子ちゃん（3.11の東北大震災で亡くなったスズメの大親友）にこの風を感じてもらいたくて、この扇風機を開発しました。亡くなった人は、亡くなってしまったけど、その思いは、いつでも僕たちの心に残っています。」と。
　亡くなった人（ワコサンやゆう子ちゃんやおじいさんやおばあさん）の思いが、この扇風機をが作らせた原動力であるということを暗示していました。
　そして、スズメが、「ワコサンもゆう子も、ここにいる人もいない人も、みんな、喜んでいます。」というと、
　母親のハルさんが、「ちがうよ。　みんな、いるよ。」と言いました。スズメにとっては、ハルさんの病気が原動力だったと思います。
　そのシーンを見ていて、思わず、ああ、これこそ、還相摂化（げんそうせっか）だと感じました。還相摂化とは、親鸞様が示してくださった浄土真宗の教えです。
　「謹んで、浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり。一つには往相、二つには還相なり」と教行信証に述べておられます。
入出二門偈という書物にも、
　入は、往相回向（娑婆ばかりに目が向いている迷いに気づかされ、一転して浄土に向かう）、
　出は、還相回向（浄土から出て、迷いの人を目覚めさせ、浄土に向かわせる）
　このはたらきこそ、阿弥陀如来のお慈悲です。そんな風に意識することが、信心をいただくということではないかと思います。

　

　唯識という仏教思想がありますが、フロイトやユングの説く深層心理を越えた世界観だと思います。
　その意識ということを、もう少し、わかりやすく言うと、認識との違いで、腑に落ちます。
　それは、1969年7月20日、アメリカのアポロ11号が、月面着陸に成功し、アームストロング船長とコリンズ、オルドリンの３人の宇宙飛行士が、月の地平線から登ってくる地球を見て、感動の涙を流したことでわかります。
　コリンズは、「今、月面に到着したのは、３人かもしれないけど、あの地球にはこの月面着陸を支えた何万人もの人々がいる。」と言い、
　アームストロング船長は、「一人の人間にとっては、小さな一歩だが、人類にとっては、大きな飛躍である。」と言っています。
　地平線から登ってくる物体が、地球だと分かるのは、認識ですが、その情景を見て、家族のことや友人やNASAや歴史的なことなどに思いをはせるのは、意識です。
　この意識こそが、宗教心であると思います。
　認識で終わるのが知識であり、知識が意識に変化することによって、知恵や智慧が生み出されてくるのです。
　

住職動静No。２
●「葉桜を」の波紋

　9月17日は、敬老会が各地区で開かれました。
大木宿の公民館では、高校の時の同級生の松尾行男君がリードして、女性コーラスグループの「メロディーバード」が、笹井宏之作詞、桃谷法信作曲の「葉桜を」を披露してくださいました。
　ぼくは、その当日行くことができなかったので、ギターの伴奏をテープに入れて歌ってもらいましたが、笹井宏之さんの父、筒井孝司さんがオカリナで参加してくださったそうでした。そのDVDを松尾君が届けてくださいました。
　また「とうせんず」という男声合唱団も練習してくださっています。笹井さんのやさしさの波紋が、少しずつ広がっています。

★仏教的に食を味わう⑰　生姜（しょうが）

　生姜は薬効として、体を温め、風邪には効果的です。すりおろした生姜は、体のだるさや、解熱発汗によく効き、大根おろしや昆布茶、梅干しや、はちみつと混ぜて飲めば、よく効きます。また、じんましんが出た時は、古生姜５～６ｇか新生姜１０ｇをすりおろし、1合の熱湯で溶いて飲むと30分～1時間ほどで症状がおさまります。
　生姜は、冷凍庫で保管し、必要な時に冷凍状態の生姜をすって使うのがいいでしょう。常温に戻すと、繊維質だけになってすりおろせなくなるので、注意してください。
　蛇足ですが、青魚などの生臭さも消してくれます。