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一口法話

2019.1 桃谷法信

          お取り越し報恩講

 毎年のことながら、年末のお取り越し報恩講のお参りに寄せていただきました。今年は、学校に勤めている関係上、夕方から2,3軒、土曜日曜に集中して、お参りさせていただきました。今年の御伝鈔のお取次ぎは「下巻の第3段、弁円済度」の拝読。御絵伝のコピーを見せながら、拝読の後、簡単な解説をしました。「山は山、道は昔に変わらねど、変わり果てたるわが心かな」この山道は、昔、親鸞さまのお命を狙って、待ち伏せていたが、今は、帰りが遅いと親鸞さまのご無事を念じながら待っているわが心の変わり様を読んでおられる弁円改め明法坊。修験道を極めたとしても、悟りを得る保証はないけれども、絶対他力の信を得て、お念仏をよろこぶようになった明法坊の往生を親鸞さまは、「この度の明法坊の往生、まことにめでたき。」と言っておられます。自力の修業から、絶対他力の信を得た明法坊の往生は、必ずもれなく仏にするという誓願が成就されてあるのですから、めでたきことなのです。
 一軒一軒、お正信偈をお勤めしていると、お寺まで足を運ぶことのできなくなった方々が、本当にうれしそうに、唱和され、心の底から称名念仏を申され、そのお念仏の声が、とてもありがたい響きとなって、ぼくの心を洗ってくれました。岩崎輝乃さんや西川タツ子さんのお念仏の声は、まるで、お浄土から響いてくる感じがしました。
 また、冬休みに入ってすぐの土日祝、お家にいた子どもたちもかわいい声で、お正信偈とお念仏を高らかに唱和してくれました。今年の「ほおんこさん」は、感慨深いものとなりました。
  お茶やお菓子の接待もありがたいのですが、仏具のお磨きが見事なところや、お花の生け方が素敵なところ、いい香りのお香を用意されてあるところ、その家その家の報恩講のお迎えの仕方が様々なところもありがたかったです。

 年に一度の在家報恩講、浄土真宗独特の大切なこのご法事が、500年以上の伝統を受け継いで、行われていることも驚きに値します。
 明けて、お正月を迎えますが、1月も親鸞さまの行事が、今度はお寺を中心にありますので、ご協力お願いいたします。
1月6日(日)8時~お磨き、餅つき、お華束盛り新年会。
1月10日~13日 御正忌報恩講 朝6時~夜7時半~


 参考までに、御伝鈔下巻第3段の全文を掲載いたします。
テキスト ボックス: 【本願寺の聖人、親鸞伝絵の下】第(だい)三(さん)段(だん)
 聖(しょう)人(にん) (親鸞) 常陸(ひたちの)国(くに)にして*専修(せんじゅ)念仏(ねんぶつ)の義(ぎ)をひろめたまふに、 おほよそ疑(ぎ)謗(ほう)の輩(ともがら)は少(すく)なく、 信(しん)順(じゅん)の族(やから)はおほし。
しかるに一人(いちにん)の僧(そう) *山臥(やまぶし)と云々(うんぬん) ありて、 ややもすれば仏法(ぶっぽう)に*怨(あだ)をなしつつ、 *結(けっ)句(く)害心(がいしん)をさしはさみて、 聖(しょう)人(にん)を*よりよりうかがひたてまつる。 聖(しょう)人(にん)*板敷(いたじき)山(やま)といふ深山(しんざん)をつねに往反(おうへん)したまひけるに、 かの山(やま)にして度々(どど)あひまつといへども、 さらに*その節(せつ)をとげず。 つらつらことの*参(しん)差(し)を案(あん)ずるに、 すこぶる奇(き)特(どく)のおもひあり。 よつて聖(しょう)人(にん)に謁(えっ)せんとおもふこころつきて、 *禅室(ぜんしつ)にゆきて尋(たず)ねまうすに、 上(しょう)人(にん)左右(さう)なく出(い)であひたまひけり。
すなはち尊顔(そんげん)にむかひたてまつるに、 害心(がいしん)たちまちに消(しょう)滅(めつ)して、 あまつさへ後悔(こうかい)の涙(なみだ)禁(きん)じがたし。 ややしばらくありて、 ありのままに日(ひ)ごろの*宿(しゅく)鬱(うつ)を述(じゅつ)すといへども、 聖(しょう)人(にん)またおどろける色(いろ)なし。 たちどころに弓(きゅう)箭(せん)をきり、 刀(とう)杖(じょう)をすて、 *頭(と)巾(きん)をとり、 *柿(かき)の衣(ころも)をあらためて、 仏(ぶっ)教(きょう)に帰(き)しつつ、 つひに素(そ)懐(かい)をとげき。 不(ふ)思議(しぎ)なりしことなり。 すなはち*明(みょう)法(ほう)房(ぼう)これなり。 上(しょう)人(にん) (親鸞) これをつけたまひき。

























































仏教的に食を味わう⑳ 雲をいただく霞を食う

「まるで、仙人のようなことを」と思われるかもしれませんが、食とは、そもそも人が良くなる、人を良くするという部首から成り立っています。ただ単に、体を作るための栄養成分だけに目を向けてはなりません。水上勉さんは、「土を喰う日々」というご本をお書きになっていますが、禅宗の転座という食事係のお坊さんのお仕事は、いのちをいただいているという根底で、調理をされます。材料を無駄なく使いきること、それが、精進料理の真骨頂であり、材料を育ててくれた土や空気や熱や光をいただいているということへの思いを感じることだと思います。「多くのいのちと皆様のおかげ」で、食事をいただく、それが、最高のご馳走です。


1月の行事予定  

1日 元旦会 0時~除夜の鐘に引き続き。福引あり。

4日 総代世話人会

6日 お磨き、餅つき、お華束盛り、新年会
 
*御正忌報恩講の準備です。
  毎年、色餅をついて、小さくちぎり、竹串に
  刺していく作業は、色々なデザインがあり、
  頭の体操にもなります。未経験の方、大歓迎です。
  ピカピカに磨いた仏具とできあがったお華束盛りで
  内陣を荘厳し、その前で、記念撮影をして、あとは、
  恒例の新年会です。どなたでも、お気軽に参加して
  ください。
10日~13日 朝6:00~夜7:30~御正忌報恩講
 
●12日は、子ども報恩講(雅楽の伴奏で、音楽法要)  ●13日は、大逮夜です。

14日 原明おこう(岩永冨士枝さん宅 夜7:00~)

14~16日 諌早市小長井 浄真寺様御正忌 出講