作法
2014.8 桃谷法信
 物事を行なうやり方を作法と言います。動作の方法です。
挨拶や食事の作法など、様々ですが、国や地域によって、異なります。
食事の作法一つとっても、日本や東南アジアの多くの国は、箸を使いますが、欧米の多くは、ナイフとフォーク、インドやネパールなどは、手を使います。
歴史や慣習、生活習慣などによって違うそれぞれ特有の文化です。
 宗教儀礼の作法も、宗派や教義によって違いがあります。
合掌の仕方や焼香も、宗派によって様々です。
 浄土真宗の作法については、赤い聖典の115ページから
118ページにかけて、@姿勢、A姿勢の心、B念珠の持ち方、C合掌礼拝の仕方、D焼香の仕方についてまとめてありますので、参考にしてください。
 今月の一口法話で、作法を取り上げたのは、本願寺出版の月刊誌「大乗8月号」を読んだのがきっかけです。
 
「念仏なんて恐れ多い?」と題して、広島福泉坊住職、福間制意師の御法話が掲載されてありました。
 初七日(広島地方では、遺族の方がお寺にお参りに来られるそうです。)に、合掌・礼拝・焼香の作法を説明されるそうですが、その中で、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えることを作法として強調しています。「心の中で称えるのではありません。作法ですから声に出して称えましょう」とはっきり言います、と述べておられました。
 そこまで読んで、ハッとさせられました。
お通夜でも、火葬場でも、焼香や合掌の作法は、説明するのですが、称名念仏を作法として説明したことがあったかなと
思ったからです。
 お念仏は、自力ではないよ、数ではないよ、称名は報恩、念仏申さんと思い立つ心の起るときが大切だよ、とずっと聞かされてきたので、お念仏を作法として考えたことがなかったからです。

 しかし、合掌や焼香の仕方より、大事なことは、お念仏申すことでしょう。
 蓮如上人は、「念仏申されよ。」と新年のあいさつに見えた赤尾の道宗におっしゃっています。
 浄土宗では、「同称十念」と言い、10回のお念仏や、「しばし、お念仏を称えましょう。」と言って、お念仏を称えることを大切にされています。また、日蓮宗の信徒の方も「南無妙法蓮華経」のお題目をしっかり称えられます。
 浄土真宗の門信徒でありながら、お念仏申すことがなかなかできない方がおられるのはなぜでしょう。ただ、合掌して、心の中で称えるのではなく、思い切って称えてみましょう。
 お念仏は、口から出てきてくださる仏さまです。
お念仏と一緒に、苦悩や愚痴や不平・・・なども一緒に出てきてくださいます。お念仏申しましょう。お念仏申しましょう。
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・・・・」、
 力まず、願わず、祈らず、ただひたすら、お念仏申しましょう。
知らず知らずのうちに、「ありがとう、ごめんなさい、おかげさまで」に気づかされます。口に出してお念仏を称えましょう。
 

 *作法の一つとして、門徒式章の着用もお勧めします。
匿名で、式章を20本、寄付していただきました。
お持ちでない方は、お寺にお参りいただいたとき、ご利用いただきたいと用意しました。
 式章を着用することによって、浄土真宗の門徒としての自覚が生まれます。いのちをつなぐ存在の自分であるばかりでなく、仏法を後世につないでいく存在として、お念仏を喜ぶことが大切ではないかと思うのです。


言葉を味わう E称える

 一口法話のところでは称名について述べましたが、口に称えることが、意識と体得につながることを発見しました。
 有田町のスポレク活動の一環として、7月29日から8月4日まで、初心者水泳教室をしていますが、休憩のとき、背浮きを教えています。いのちを守る泳法だと思うからです。体を固くすると沈んでしまいますが、力を抜いて水にまかせると体は浮いてきます。でも、水に慣れない初心者は、なかなか力が抜けません。そこで、「耳を入れて、おへそを出す。」と口に称えさせてやらせると、意外に力が抜けて体が浮いてきます。口に出すことによって、意識化され、イメージされるからです。そして、体が浮くというその実感を体得すると、もう大丈夫です。初めは首の後ろへ手を添えてやるのですが、「耳を・・」と言っただけで、力が抜けるようになり、自然に背浮きができます。口に称えることが意識を細胞にしみるという表れではないかと思いました。


 
8月の行事予定
● 8月13日(水)夜7:30〜むりょうじゅ会
● 8月14日(木)夜7:30〜原明お講
● 
お盆参りの日程は、下記のように予定しています。
         ご希望の日程があれば事前にお電話ください。
 地区
10日  福岡、久留米、佐賀方面
13木  初盆、佐世保方面(瀬戸越、矢峰、広田)
14金  佐世保方面(三川内、木原)、伊万里方面
15土  その他



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