一口法話 2019.11 桃谷法信

友だち100人できるかな

法話のページへ

 1年生になったら、友だち100人できるかな?
①100人で食べたいな。
 富士山の上でおにぎりを、パックンパックンパックンと。
②100人でかけたいな、
 日本中をひとまわり、どっしんどっしんどっしんと。
③100人で笑いたい、
 世界中をふるわせて、わっははわっははわっはっは

 幼稚園や保育園の卒園ソング、まどみちお作詞 山本直純作曲。おなじみの「1年生になったら」です。

 10月27日の永代経法要は、講師の先生が見つからず、初めて自勤で「桃谷法信説法ライブ」をしました。その時の冒頭でこの歌を歌いました。
 一生を通して、人は何人のヒトと出会うのでしょう。50人の参詣者に聞いてもみんな首をかしげます。僕も数えたことはありません。数はわからなくても、忘れていても、ふと、その場所に行ったり、話の中で、思い出すことがあります。
 先日、浦川幹男さんの所で、満江ばあちゃんの25回忌の折、満江さんの言葉を思い出しました。もう30年ほど前のことですが、毎月14日の原明地区のお講でのこと、12,3人のお参りの前で、「目の見ゆっ時、お経ば読んどきんさい。耳の聞こゆっ時、お説教ば聞きんさい。足の歩かるっ時、お寺に参りんさい。」とおっしゃいました。ふと、そんなことを思い起こしたのは、満江ばあちゃんと出会っていたからだと思いました。
「袖振り合うも多生の縁」といいますが、縁にふれて、救われていたのだと強く感じます。
 そのような出会いがいくつあったのでしょう。
中には、その時、嫌だったことや思い出したくないことも多々あります。しかし、今思うと、すべての出会いの中で、育てられていたように思います。すべてのヒトやモノが菩薩様のように思えます。
 それとは別に、時や所をこえての出会いも大切です。直接会ったことはないにしても、影響を受けたアーティストや俳優や学者さん、著作に感動した人々、歴史上の人物、・・・
 お釈迦様やイエスキリスト、法然様や親鸞様然り、本当に数限りなくいらっしゃいます。











 詩人で言うと、谷川俊太郎さんや茨木のり子さん、金子みすゞさんも大好きですが、まどみちおさんは、特に僕のお気に入りです。「やぎさんゆうびん」でエンドレスの歌詞に思いやりやつながりの大切さを込め、「ぞうさん」では、「他の動物からお前の鼻は長いと冷やかされたのに、まるで、ほめられたように、「そうよ、かあさんも」と言えるのは、子象が、自分はぞうとして生かされていることを素晴らしいと思っているから」と、まどみちおさん自身が語っておられるように、生かされてあることのすばらしさを肯定する姿勢に貫かれているのだと思います。そして、それは、蔑みや差別を跳ね返す大きなエネルギーではないかと思うのです。
 
 1992年に刊行された「まどみちお全詩集」には、戦時中に書いた戦争協力詩もあえて収録し、あとがきの部分で、その経緯を詳しく書いて、謝罪するなど、正直さを貫く、そして、子どもの心を持ち続けた天才詩人だったと思います。
 2014年2月28日、104才で亡くなられるまで、詩を書き続けられました。入院中は、看護師さんに車いすを押してもらい、病院の中庭にある池を眺めるのが楽しみで、「毎日同じ景色をなぜ眺めるのですか」という看護師さんに「毎日、景色が違うのが楽しい。」と答えられて、病室に帰ると、広告紙の裏に色鉛筆で、心象スケッチをし、その絵を壁に貼って、その絵を眺めながら、詩を創作されていたと聞きました。

 あさがくると     まどみちお
あさがくると とびおきて
ぼくが作ったものでもない水道で顔をあらうと
ぼくが作ったものでもない洋服を着て
ぼくが作ったものでもないごはんをむしゃむしゃ食べる
それから 僕が作ったものでもない本やノートを
僕が作ったものでもないランドセルにつめて背中にしょって
さて、僕が作ったものでもない靴をはくと
たったかたったか出かけていく
僕が作ったものでもない道路を
僕が作ったものでもない学校へと
ああ、なんのために
いまに大人になったら ぼくだって ぼくだって
なにかを作ることができるようになるために
 






 




仏教的に食を味わう 夏野菜と冬野菜
 
 晩秋になって寒くなると、夏野菜は枯れます。カリウムをたくさん含むので、凍結しやすいからです。凍結すると、細胞膜が破れて死んで行くのです。逆に、冬野菜は、ナトリウムが多いので、凍結しにくいから、枯れずに育つことができます。
 人の体もこれと同じで、海の塩(ナトリウム)を多く摂る人は寒さに強く、しもやけができず、風邪もひきません。カリウムを多く含む砂糖好きの人は、しもやけができやすく、寒がりで、風邪をひきやすいのです。同じ野菜でもホウレン草は、春にとれるものと冬にとれるものでは、ビタミンCの含有量も冬の方が圧倒的に多く、甘さも違います。
 要するに、旬のものをいただくことこそ、大事だということです。

●11月の行事予定
(住職動静)

6日 伊万里栄町歌う会
12-13日 退職教職員協議会長崎旅行

13日 むりょうじゅ会 19:30
~法泉寺本堂
14日 
有田町老人会運動会・老人会例会
15日 黒牟田高齢者サロン
説法ライブ
20日 伊万里栄町歌う会
23日 上本まつり
24日 上有田駅フェスタ ライブ出演
26日 本町高齢者サロン
説法ライブ
28日 古木場高齢者サロン説法ライブ
  
●報恩講の季節です。
旧暦の11月28日は親鸞さまの御命日。東本願寺では、22日から御正忌報恩講が勤まり、京都駅前のコインロッカーは、空きがないくらいご門徒の参詣があり、名物の揺り念仏が御正当に勤まります。
西本願寺では、1月9日から16日まで御正忌報恩講が勤まります。法泉寺も毎年、1月10日から13日までの4日間、朝6時から、夜7時半から計8座、親鸞聖人の御苦労を偲び、お勤めします。
 11月中旬から12月年末まで、在家報恩講にお参りさせていただきますので、よろしくお願いします。仏具のお磨きや仏前の荘厳をして、親鸞さまのご苦労を偲びましょう。