10月は、落ち着く暇もないほど、あっちこっち飛び回っていました。そのあっちこっちで、たくさんの出会いがありました。一期一会、百千万劫にも会うこと難し、などと言われますが、これまで、一度も出逢ったことのなかった人とであい、語り、そして、感じ、思うということの「わくわく」は、どんなに年をとっても味わえるんだとうれしくなりました。

●1日の佐賀教堂でのキッズサンガには、小中学生の登校で幼稚園生二人と大人六人による雅楽演奏も初めてのドキドキの出来事でした。先輩の小中学生不在の中、幼稚園児の岩崎宙斗(ひろと)くんの口上は、素晴らしかったです。

●4日の法泉寺ライブには、サックス奏者の三四朗さんとギターの小畑和彦さんの息の合った演奏に新しい発見がありました。二人はアドリブを楽しみ、その楽しみが私たちの心の琴線を揺らして音を楽しむ「時と時間」を共有することにライブの醍醐味があるのだと気づかされました。

●10日の鳥取養源寺での寺子屋ライブ、大須賀秀樹さん(デュークエイセスのトップテナー)、玉木浩治さん(ギタリスト、ビィブラホーン奏者:夏川りみさんの義兄)とは、4回目でしたが、今年は、玉木さんの息子さん拓人さんがパーカッションで加わり、ハープ弾き語りの千石真理さん(本願寺派僧侶、大学講師)が初参加されました。還暦を迎えた大須賀さん(赤いスーツに赤い帽子で登場)の歌の内容が、年々深くなり、今年は、認知症の母の思いを「手紙」という歌で、切々と歌われました。思わず涙が出ました。永六輔さんとの親交もあり、永さんとのエピソードや思い出も披露され、永さんの残してくださった歌を、一緒に歌わせてもらいました。

●16日「葉隠」研究国際シンポジュームが、佐賀大学の教養大講堂で開かれたので、聴講に行きました。階段教室なので、とても懐かしく大学時代を思い起こしました。3人の発表があり、最初に、関西大学教授のアレック・ベネットさんが「世界の人に葉隠れの心を」というテーマで話されました。
 ニュージランドから千葉大学に留学された時、剣道に出会いスポーツではない武道の一本(無心、捨身、残心)つまり
勝敗に拘らないことを学んだと話され、スポーツの1点と武道の一本は、意味が違うことを教えてくださいました。あと二方は、中国の留学生、李靜怡さん(りせいい:九州大学大学院)の「世界の若者に葉隠れの心を」と大園隆二郎さんの「山本常朝のめざしたもの」の講義でした。

●17日~18日の松浦組住職寺族研修会は、山口県長門市の俵山西念寺で、住職の深川宣暢師のお説教を聴聞しました。深川師は本願寺に13名しかいない勧学という学者なので(宗門では、和上様と尊称しています。ちなみに、浄源寺住職栗山信爾師の妹、篤子さんが坊守様です。)、硬い話かなと思いきや、浄土真宗の要をわかりやすく教えてくださいました。その話の中で、強烈だったことは、「教行信証」という言葉でした。ご本典と呼ばれる親鸞聖人撰述の題名だと認識していましたが、題名の意味を深く考えたことがなかったからです。「他の仏教は、教があり信を得て、行じて、證(悟りに至る)教信行證という自力の行の行程ですが、親鸞様は、「お釈迦様の教えを法蔵菩薩が行じてくださり、そのことを私たちが聴聞してをいただく教行信証という絶対他力の教えです。」という説明を聞いて「うーん」とうなってしまいました。
 親鸞さまの言葉は。物事に対する深い洞察、多面的な発想があり、800年の時を超えて、今だ色あせずに輝く珠玉の言葉だとあらためて思い知らされました。

●19日~21日、全国民生児童委員大会が香川県の高松市で開催され、有田町の会長代理で参加しました。三千余名が全国から集まり、熱い議論が飛び交いました。基調講演は、少林寺拳法グループ総裁の宗由貴さんが、少林寺拳法がオリンピックを目指さないわけ、東北や熊本の復興を妨げているのは、国際的なイベントのための資材高騰、ウルグァイの元大統領が、「日本の印象として、孤独な高齢者が多いこと、夢や希望のない若者が増えていること。」と語られたことなどを紹介され、民生児童委員一人一人がどう行動していくかが大切であると示唆されました。前泊は、象頭山の麓の琴参閣というホテルでしたが、同室の4人で翌朝、金毘羅山参りの参道を22段登って左折し、金毘羅大芝居の舞台裏を見学しました。坂本龍馬が生まれた年に建てられた金丸座の奈落は、
人力で回す回り舞台やせりなど、先人の知恵に感心しながら
の見学でした。
 分科会は、「認知症の人を家族や地域で支えるために」に参加しましたが、啓発の仕方や認知症の方の地域参加、支えるためのネットワークづくりなど、活発に論議され時間をオーバーするほどでした。
 帰る途中で、鳥取地震が起き、高速道路も渋滞し、新幹線も遅れましたが、何とか無事に帰り着くことができました。 瀬戸大橋が渡れなくなったらどうしよう、とか新幹線が止まったらなどと不安になりましたが、帰る故郷があってよかったです。浄土真宗のご門徒の帰るところは、お浄土と定まっているので安心です。

仏像のまね㉑ 薬師如来

 四国は、やはり、お遍路さんが多かったです。瀬戸大橋を渡って善通寺に行きました。真言宗善通寺派の総本山で、弘法大師空海がお生まれになったところだと言われています。四国には、仏縁を結ぶ機会がたくさんあるように、八十八カ所巡礼や、三十三霊場巡り、足の不自由な方や時間のない方のために、七福神寺巡りなど神仏習合をここまでやるかと思わせる仕掛けが、色々なところにしてありました。善通寺は第75番札所で、金堂(本堂)には、高さ3mの薬師如来が鎮座されていました。右手は施無畏印、左手には薬壺(やっこ)を持ち、応病与薬といわれる仏教の救いを形にされた如来様です。薬壺は持てないまでも、応急処置のために、傷テープを持ち歩こうと思いました。

  
   ●11月の行事 

3日 嘉麻市 長教寺納骨堂法要法話
4日 岳地区高齢者サロン説法ライブ
4日 有田猟友会イノシシ法会 法泉寺本堂
8日 松浦組お勤め練習会
10日 松浦組順番報恩講(南波多源光寺)~14日まで
12日 佐世保上原光の子サロン説法ライブ
13日 むりょうじゅ会 夜7:30~
14日 原明おこう(力武舜一郎さん宅)
15日 楠木原高齢者サロン説法ライブ
17日 桑木原高齢者サロン説法ライブ
26日 土曜学校朝9時~絵本を読もう、焼き芋?
27日 佐賀市 真覚寺報恩講法話

一口法話

わくわくどきどき
 

2016.11 桃谷法信

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